安倍晋三総理は21日、先進7か国と欧州の経済界首脳が参加し開催された「B7東京サミット」であいさつし「日本のアベノミクスを世界のアベノミクスへと、経済政策を更に進化させることにより、G7議長としての重責を果たし、世界経済のかじ取りにしっかりとリーダーシップを発揮していきます」と強くアピールした。
安倍総理は冒頭に「世界経済の相互依存が高まる中、私たちは様々なリスクを共有し、共に立ち向かうべき時代を迎えている」とし「暴力的過激主義は世界経済の大きなリスク要因である」とした。
また「中東からの難民への対応も政治問題にとどまらず、世界経済にも大きな影を落とす課題となっている」と共有して解決すべき課題とした。
また、安倍総理は「中国の景気減速への懸念、原油価格の低下などを背景に世界的に市場が大きく変動しており、世界経済の不透明さが増している」との認識を示し「世界経済の下方リスクと脆弱性が高まっている。これは世界の共通認識であり、現下の経済情勢が5月に予定されるG7サミット最大のテーマとなることは疑いの余地がない」と語った。
そのうえで、安倍総理は「ノーベル経済学賞のスティグリッツ教授やクルーグマン教授、フランスのティロール教授など多くの専門家たちは、今年、新興国経済の伸び悩みによって、さらに景気悪化と世界的な需要低迷を見込んでいる。国際石油市場の動向について、専門家たちと意見交換したが、石油価格の低迷は産油国における投資の減少を通じ、世界的な需要の減少に拍車をかけることについて懸念されるとの意見表明があった」と紹介。
安倍総理は、こうしたことを踏まえ「G7が世界経済の持続的かつ力強い成長を牽引していかなければならない。伊勢志摩サミットでは明確なメッセージを世界に向けて発信していきたい」とあいさつした。(編集担当:森高龍二)