【今週の振り返り】日銀会合ゼロ回答で4連敗し906円下落の週

2016年04月30日 20:04

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25日は「日経平均よ、なぜ下がる?」。26日は下落の「ナイアガラの滝」を見た。27日は「思惑が交錯し、うかつに買えない」。28日は「悪いのはブルームバーグだ」。

 25日の日経平均は5営業日ぶりに反落。前週末22日、ヨーロッパ市場は軒並み小幅安だったがNYダウは21.23ドル高の18003ドルで大台回復。原油先物価格は少し上昇して43ドル台だったが、EPS(1株あたり利益)が市場予測を下回ったアルファベット、4四半期連続減収のマイクロソフト、通期予想下方修正のVISAなど企業決算がふるわずダウは小幅高にとどまった。NASDAQはマイナス、S&P500は小幅高。CME先物清算値は17740円。為替は一時111円80銭台までドル高円安が進み、25日朝方は111円後半、ユーロ円は125円台半ばだった。

 安倍内閣は今年度の補正予算の編成を指示したが、目的は経済対策ではなく九州の震災復興。23日に九州新幹線が博多と熊本の間で運転を再開した。24日の衆院補選の結果は与党の1勝1や(休場)。日経平均は41.07円高の17613円で始まる。それを「寄り高(寄り天)」にして利食い売りでマイナス圏に下がる。9時5分に17500円を割り込んで17470円まで下げ、TOPIXも1400の大台を割る。いったん反転してプラスに戻るが、その後にもっと厳しい下落に見舞われ安値を更新し続ける。要因は東京時間に入ってドル円の円高が111円前半へ急速に進行したため。やはり22日のNY時間の円安は異常だったのか。下げ止まり10時台は17400円台後半でもみあうが、上海がマイナスで始まって下げ幅を拡大すると再び安値更新。11時ちょうどに147円安の17425円まで下げる。為替の円高はなかなか止まらず111円台10銭台。17450円付近の水準で静かに小動きし、TOPIXも1400を割る。前引けは132円安の17439円だった。

 上海はマイナスのまま午前の取引を終了。後場の日経平均は40円ほど下げ幅を縮小して再開するが、それもつかの間でまた安値更新。それでも1時台は50円ほど戻し17400円台後半の値動き。為替のドル円も正午前に111円割れを「寸止め」でかわし反転していた。もみあったままプラスに浮上できず、1時49分には17403円の安値更新。かろうじて17400円台を維持。2月の景気動向指数改定値は、一致指数が-1.6ポイントで-3.2ポイントからやや改善。先行指数は-4.4ポイント。基調判断は「足踏みを示している」で据え置き。神戸で施工中の高速道路の橋桁が落下して死者が出た横河ブリッジ<5911>は大幅安。2時に再開した上海市場は徐々に下げ幅を圧縮するが、日経平均は17450円付近で上値を抑えられる。ドル円はまた111円割れ寸前で「寸止め」。為替に邪魔され3ケタ安のマイナス圏のまま軟調は終盤まで続き、133円安の17439円で5営業日ぶりに反落した。TOPIXは1400台キープ。4日続伸後の利食い売りに加え、ドル円は111円台でも円高に動けば売りを誘う。買われすぎに傾いていたテクニカル指標で言えば想定通りでも、前週末の海外市場と朝方の為替水準からすれば意外な安値だった。日米中央銀行イベントとその後の大型連休は、やはり重石なのか?

 日経平均終値は133.19円安の17439.30円、TOPIX終値は-5.67の1401.83。売買高は23億株、売買代金は2兆2600億円。値上がり銘柄数は704、値下がり銘柄数は1097。プラスは保険、ゴム製品、輸送用機器、銀行、非鉄金属、不動産、ガラス・土石の7業種。マイナスは26業種で、その下位はパルプ・紙、情報・通信、鉱業、海運、食料品、建設など。上海総合指数は結局プラスに浮上できず0.42%安だった。

 26日の日経平均は続落。週明けのヨーロッパ市場はドイツのIFO景況感指数の0.1ポイント低下を受けて揃って下落。NYダウは26.51ドル安の小幅反落で18000ドル割れ。NASDAQもS&P500も小幅安だった。新築住宅販売件数は前年比は+5.4%で月間50万戸以上をキープしたが、前月比は-1.5%で市場予測を下回った。ダラス連銀製造業景気指数は-0.3ポイントとさえず、原油先物価格も5日ぶりに反落して42ドル台。FOMC直前の利益確定売りも出る。為替のドル円は111円を何度も割り込んでは元に戻り、朝方はドル円が111円台前半、ユーロ円が125円台前半。CME先物清算値は17455円だった。

 日経平均は80円安の17358円で始まる。TOPIXは1400割れ。9時台は上下60円ほどの狭いレンジの値動きで、高値は9時14分の17397円、安値は9時4分の17335円。ドル円は再び一時111円割れ。振れ幅がだんだん小さくなる「ミニ三角もちあい」の後は上放れで、円安方向に振れたドル円に同調してマイナス幅を圧縮し10時16分に13円安の17426円まで上昇する。上海市場はプラスで始まり上げ幅を少し拡大。しかし日経平均はドル円が円高方向に反転したらそれを引き金に、11時台は先物主導の仕掛け売りでボロボロ下げて安値更新。4連騰の強気の地合いが週末をはさんで様変わりすると、魔物にも付け入るスキを与える。17350円も17300円も17250円も割り込み、久しぶりに見た滝のような下落。見た目は涼しく、気分は冷え冷え。上海も東京にお付き合いして下落する。前引けは219円安の17219円。その1分前の17216円が安値で、下落のナイアガラは17200円寸前で時間切れに救われた。

 上海市場はプラスとマイナスを行ったり来たりするが午前はマイナスで終える。後場の日経平均は前引けよりやや高く始まっても、すぐ安値更新。0時35分に17200円まで下落する。ドル円は110円台後半。1時すぎまで200円安前後の17200円台で推移するが、そこから下げ幅の圧縮が始まり、1時台のうちに17300円台後半まで戻す。本田内閣官房参与が「日銀は今回、追加緩和すべきだ」と発言したというインタビュー記事が流れたのが買い材料だが、またブルームバーグで〃アリバイ〃っぽい微妙なニュアンスも漂う。上海市場はマイナスで始まるが一時プラスにタッチ。2時台の日経平均は17400円まであと少しまで回復するものの今度は上昇が時間切れ。終値は86円安の17353円だった。11時台に滝から落ちて、1時から150円ほどよじ登って戻したのを翌日につなげられるか?

 日経平均終値は86.02円安の17353.28円、TOPIX終値は-10.14の1391.69。売買高は22億株、売買代金は2兆804億円。値上がり銘柄数は417、値下がり銘柄数は1424。プラスはパルプ・紙、水産・農林、食料品、石油・石炭、医薬品、空運、陸運の7業種。マイナスは26業種で、その下位は海運、鉄鋼、銀行、保険、証券、ガラス・土石など。金融関連のセクターが悪かった。上海総合指数は終盤プラスに上がって0.61%高だった。

 27日の日経平均は3日続落。BPの決算は原油安で赤字に転落したが、英国のEU離脱観測が後退してFTSE100は上昇。大陸ヨーロッパの平均株価は下落。アメリカの株価材料は強弱まちまち。CB消費者信頼感指数は-1.9%で市場予測を下回った。耐久財受注額は+0.8%、S&Pケース・シラー住宅価格指数は+5.4%だがともに市場予測を下回る。週間在庫統計の減少、世界銀行の今年の原油価格見通しの上方修正を受けて原油先物価格は上昇し終値44ドル台で5ヵ月ぶりの高値。企業決算はデュポンが純利益+19%で通期見通しを上方修正し3MとともにEPSは市場予測を上回ったが、P&Gは28%増益でもEPSが市場予測を下回った。NYダウは前日終値付近でもみあって終値は13.08ドル高。18000ドルの大台を回復できず。NASDAQは4営業日続落。S&P500はプラスだった。取引終了後発表のツイッターの決算は赤字額が半減したが、iPhoneが売れなかったアップルの決算は-13%で13年ぶりの減収、-22%の最終減益と深刻。EPSも市場予測を下回った。朝方の為替レートはドル円が111円台前半、ユーロ円は125円台後半。CME先物清算値は17485円だった。