【今週の振り返り】円高がドル円110円台まで進行214円下落の週

2016年03月19日 20:17

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メジャーSQ後週はアク抜け安定どころか、15日は日銀会合結果発表後に乱高下。FOMC明けの17日は前場天国、後場地獄。18日は円高が急進して朝から大幅下落。

 14日の日経平均は3営業日続伸。前週末11日のNYダウは218.18ドル高で年初来高値更新。「これ以上の利下げは考えていない」というドラギ総裁の〃失言〃への失望感が薄れ、ECBの包括的な追加緩和策が見直されて金融セクターが買われ、一時39ドル台、終値は38ドル台の原油先物価格がフォローの風になってエネルギーセクターが買われた。14日朝方の為替レートはドル円が113円台後半、ユーロ円が127円近辺。CME先物清算値は17050円だが、推定配当権利落ち分の112.3円を加えれば17162.3円。

 取引開始前に発表された1月の機械受注(船舶、電力を除く民需)は+15.0%で12月の+4.2%から大幅に上昇。市場予測の+2.7%を大きく上回り、東京は雨の月曜日の朝だが縁起はいい。日経平均は216円高の17155円で始まり、序盤の9時6分に17201円まで上がってCME先物清算値プラス配当権利落ち分にさや寄せする。TOPIXも大幅高。17100円台後半の安定した値動きが続き、日米の中央銀行イベント結果待ちでやや様子見の静観ムード。それでもドル円が円安に振れ114円に接近すると10時前から17200円を超えて高値を更新し、さらに17250円も突破。週明けの上海市場はプラスで始まり上げ幅を拡大する展開で、日経平均も徐々に上げて10時58分に17279円の高値をつける。不安定だった前週とは様変わりなメジャーSQ後週のはじまり。上海市場はプラス2%を超え、11時台の日経平均も抑制がきいた〃上品な〃上昇が続き、前引けはほぼ高値引けの352円高の17291円で17300円まであと9円。TOPIXは高値の前引けだった。

 上海は上昇幅が2.5%を超えて午前の取引を終了。ドル円は114円に瞬間タッチしただけで後場は前引けよりやや下げて始まるが、おおむね300円高を超える高値圏を堅持。1時台は17200円台前半に下がり、円高に振れたドル円に反応して2時前に17200円を割り込む場面もあったが一時的。2時に再開した上海市場は上げ幅が2%を超える水準を維持し、日経平均も17200円台前半で安定する。需給が改善したのか外部環境の変化に強くなっている東京市場。大幅高で値動きが乏しいのは上海と足並みが揃い、294円高の17233円で終了。終値ベースで2月2日以来の水準。

 新規IPOが1件。就労支援、児童発達支援、学習教室や幼児教室の運営を行うLITALICO(リタリコ)<6187>が東証マザーズに新規上場。公開価格1000円よりも88.0%高い1880円の初値がついた。

 日経平均終値は294.88円高の17233.75円、TOPIX終値は+20.63の1379.95。売買高は20億株、売買代金は2兆620億円でSQ通過直後でイベント待ちの薄商い。値上がり銘柄数は1702、値下がり銘柄数は177。プラスは32業種で、上位は日銀会合の結果期待の保険、銀行、不動産の金利敏感セクターに続いて海運、小売、ガラス・土石など。マイナスは食料品1業種だけだった。値動きがガラにもなく上品だった上海総合指数は終盤つつましく値を控えて1.75%高だった。

 15日の日経平均は4営業日ぶりの反落。難民問題が争点のドイツの地方選挙はメルケル首相の与党が大敗したが、ユーロ安を背景にドイツDAX指数をはじめヨーロッパ市場は全面高。週明けのNYダウは原油先物価格の下落でマイナスで始まったが、プラスに浮上して終値は15.82ドルの小幅高。経済指標やFOMCの結果待ちで上値が重い。NASDAQはプラス、S&P500はマイナス。原油先物終値は37ドル台。朝方の為替レートは、ドル円は113円台後半で、年度末の3月の「リパトリ」なのか114円の壁が依然厚い。ユーロ円は126円台前半。CME先物清算値は17125円だが、推定配当権利落ち分の112.3円を加えれば17237.3円。

 日経平均は13.86円安の17219円と小幅安で始まる。TOPIXもマイナス。17200円を割って9時11分に17193円まで下げるが、9時30分頃にポンとプラスに浮上して9時42分に17265円まで上昇する。その後は薄商いの中、10時までは小幅でもプラス圏を維持していたが、10時台は為替の円高進行を伴ってマイナスに下がる。上海市場はマイナス圏で乱高下し値動きが上品だったのは前日14日だけ。日経平均は10時38分の17186円の安値更新の後は17200円台前半の小幅マイナス圏で推移し、日銀会合の結果を静かに待つ。前場終了直前に上昇してもプラスにはならず前引けは7.46円安の17226円。TOPIXもマイナスだった。

 上海は下げ幅を拡大して午前の取引を終了。日経平均はTOPIXとともに小幅プラスで再開し、0時32分に17279円まで上昇したところで日銀から金融政策決定会合の結果が発表された。金融政策は現状維持。MRFをマイナス金利の適用対象外とし、景気の現状判断を1年11ヵ月ぶりに下方修正。決定には全て〃反逆のカリスマ〃木内登英審議委員が反対していた。

 発表直後に為替は円高に振れ、日経平均は再びマイナスに落ち、債券価格は急落して金利は上昇した。日経平均は安値を更新して0時51分に17079円まで下がる。前日に金融セクターが買われたので、現状維持なら予測された反応。そこから17200円付近まで戻した後、再び17100円を割り込む乱高下。日銀会合の結果は、上品だった淑女を気まぐれな〃悪女〃に変貌させた。失望感で1時53分には17042円まで下落し悪女の毒気にあたる。ドル円は113円台前半まで円高が進んでいた。それでも日経平均は17000円割れを起こさない。2時に再開した上海市場は大幅安から徐々に値を取り戻す。日経平均も毒気が薄れたように値を戻し、2時台のうちに17100円にもタッチ。上海は再び下げ幅を拡大するが終盤の日経平均は17100円を超え、大引けは116円安の17117円だった。

 新規IPOが3件あり、9時台に早々と初値がつく。富山県の第二地方銀行、富山第一銀行<7184>が東証1部に直接、新規上場。公開価格470円よりも6.3%高い500円の初値がついた。電子機器の受託製造・開発(EMS事業)を行う埼玉県上尾市のユー・エム・シー・エレクトロニクス<6615>が東証1部に直接、新規上場。公開価格3000円よりも17.3%安い2480円の初値がついて「初値<公開価格」の黒星。1部直接上場は一昨年も昨年も上場日の成績があまり良くない。コールセンター、事務センターなどのBPO事業を行う富士ソフト<9749>の関連会社、富士ソフトサービスビューロ<6188>がジャスダックに新規上場。公開価格890円よりも13.4%高い1010円の初値がついた。今週は新規IPOが12件もあるので資金が分散され、今年2個目の黒星がついた。

 日経平均終値は116.68円安の17117.07円、TOPIX終値は-7.87の1372.08。売買高は20億株、売買代金は2兆1123億円。値上がり銘柄数は843、値下がり銘柄数は947。プラスは8業種で、その上位は小売、情報・通信、電気・ガス、医薬品、パルプ・紙、その他製品など。マイナスは25業種で、その下位は保険、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、不動産、輸送用機器など。上海総合指数は大引け直前にプラスに浮上して0.17%高。こっちの方が悪女としては何枚も上手だった。

 16日の日経平均は続落。ヨーロッパ市場は揃って反落。日銀の追加緩和を期待していたという。原油先物価格は終値36ドル台と続落し、FOMCの結果待ちの様子見もあってNYダウは午後、前日終値付近でもみあったが、最後はプラスで終えて22ドル高で3営業日続伸。しかしNASDAQ、S&P500はマイナスだった。朝方の為替レートはドル円が113円台前半、ユーロ円が125円台後半。CME先物清算値は16835円だが、推定配当権利落ち分の112.3円を加えれば16947.3円。

 日経平均は135円安の16981円で始まる。9時12分に16950円まで下落するが、9時台前半は16900円台後半を保って時々17000円台にも浮上する展開。アメリカ大統領選挙予備選挙の「ミニ・スーパーチューズデー」はフロリダ州でトランプ氏が勝利を確実にしルビオ氏が撤退した。「勝者総取り」で代議員数99を獲得できる重要州。民主党はクリントン氏勝利。首相官邸で開かれた「国際経済分析会合」で、ノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学のスティグリッツ教授が来年4月の消費税率の10%への引き上げを見送るように提言した。内閣官房参与の本田悦朗氏、浜田宏一氏も同調。同会合は17日、22日も開かれ、22日のゲストはポール・クルーグマンNY市立大学教授。スティグリッツ発言を受けて為替のドル円は円安に振れ、日経平均は小売セクターを中心に9時57分に14円安の17102円まで上昇。TOPIXは一時プラスに浮上。しかし日経平均はプラスに届かず、全人代閉幕日の上海市場は小幅安スタート。前場の残り時間は17000円台を保ちながら徐々に水準を下げ、前引けは65円安の17051円だった。