【今週の展望】薄商いの連休の谷間では17000円回復は期待薄

2016年05月01日 20:08

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偏っていたバランスが正常化した。4月28日の624円安をそう解釈すれば、月が5月に改まった今週は改めて出直しを期す、始まりの時。

 今週、5月第1週(2~6日)は、3日は「憲法記念日」、4日は「みどりの日」、5日は「こどもの日」の祝日で休場し、月曜日と金曜日の2日間の取引。取引のある日もゴールデンウィークの谷間で売買は閑散としそうだ。だがその間も、世界のマーケットは動いている。6日にはアメリカの4月の雇用統計が発表される。

 世界の主要株式市場の休場日は、2日に英国ロンドン市場、中国本土市場、香港市場、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、南アフリカなどが1日の「メーデー」の振替休日で休場する。5日にスイス、韓国、タイ、インドネシアが休場。6日にインドネシア、タイが休場する。

 国内の経済指標、イベントは、1~2日に福岡県北九州市でG7エネルギー相会合が開かれる。2日には4月の自動車販売台数、4月の大手百貨店売上高速報、6日には4月のマネタリーベースが、それぞれ発表される。

 大型連休の谷間でも主要銘柄の決算発表がある。2日にはサントリー食品、JT、ポーラオルビスHD、オリンパス、CTC、ロイヤルHDなど。6日には帝人、伊藤忠商事、パイロット、長瀬産業、ジョイフル本田、ダイドーリミテッドなど。

 今週の新規IPOはない。5月いっぱいは1件もなく、次回は6月以降。なお、太陽光発電関連で6月2日に新規上場するタカラレーベン・インフラ投資法人<9281>は昨年4月に開設された「東証インフラファンド市場」の上場銘柄第1号として期待を集めているが、J-REITやTOKYO PROへの新規上場と同じように新規IPOにはカウントしないのがふつう。新株の公募はあり、5月12日に仮条件、23日に公開価格が決まる予定。新規IPOの空白で手持ちぶさたな投資家にはちょうどいい対象になるだろうか?

 海外の経済指標、イベントは、2日のISM製造業景況指数、4日のISM非製造業景況指数、6日のアメリカの雇用統計が重要。

 1日には中国の4月の製造業PMI、非製造業PMI、2日にはアメリカの4月のISM製造業景況指数、3月の建設支出が、それぞれ発表される。2~3日にドイツのフランクフルトで「ASEAN+3財務相・中央銀行総裁会議」が開催される。同じフランクフルトで2~5日にADB(アジア開発銀行)の年次総会が開かれる。3日にオーストラリアが政策金利を発表する。

 3日にはブラジルの3月の鉱工業生産指数、アメリカの4月の新車販売台数、4日にはフランスの3月の貿易収支、ユーロ圏の3月の小売売上高、アメリカの4月のADP雇用統計、3月の貿易収支、4月のISM非製造業景況指数、3月の製造業受注、5日にはオーストラリアの3月の貿易収支、小売売上高が、それぞれ発表される。5日にメキシコが政策金利を発表する。

 6日にはアメリカの雇用統計(非農業部門雇用者数の伸び、完全失業率)が発表される。同じ6日にアメリカの3月の消費者信用残高、ブラジルの4月の消費者物価指数(CPI)、8日には中国の4月の貿易収支が、それぞれ発表される。

 アメリカの主要企業の決算発表は、2日にAIG、3日にファイザー、ADM、スプリント、エスティローダー、UBS、BNPパリバ、HSBC、4日にプライスラインG、ケイト・スペード&カンパニー、ソシエテ・ジェネラル、5日にケロッグが、それぞれ発表する予定。

 ゼロ回答だった日銀会合の結果に失望して後場、大幅高から大幅安へ逆落とし。624円安で4日続落した前週の最終取引日4月28日の終値は、縁起が悪そうな数字並びの16666.05円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は16629円の25日線だけが下にあり、16674円の75日線、17264円の5日線、18226円の200日線は上にある。200日線ははるか彼方の天空に浮かび、浮いたり沈んだりする地上の騒ぎを見下ろしている。4月28日は、もしプラスで終わっていたら25日線が75日線を上に抜く吉祥「ゴールデンクロス」を拝められる可能性があったが、お預けになった。終値はその2本の間にはさまっている。

 日足一目均衡表の「雲」は16420~16697円。前週は4月26日と27日の間で「ねじれ」を起こした。雲のねじれは変化の兆しとよく言われるが、その通りに28日に悪い方の大変化が起き、前日は雲より593円上空にあった終値は再び雲の中に入ってしまった。今週の雲は、2日は16385~16727円、6日は16385~16607円。4月28日終値16666円のままでも6日になれば雲の上に出られるが、雲が薄いので281円下落すればその下に出てしまう。雲は来週の12日と13日の間、さ来週の20日と21日の間でもねじれが起き、合計「3回ひねり」。日経平均はいいポジションに着地を決めたいところ。