日立が新組織設立やプラットフォーム提供でIoT事業のグローバル展開を加速

2016年05月15日 12:05

 近年、インターネットの活用により、あらゆるモノや人がつながると同時に、ビッグデータの分析・解析を通じて得られる知見により、ビジネスや人々の暮らしそのものを大きく変えようとする「IoT」や「デジタライゼーション」といった潮流が加速している。今回、日立製作所<6501>も、この潮流に合わせIoT事業のグローバル展開を加速する。

 同社は、グローバルで横断的にIoT関連事業を推進する「Hitachi Insight Group」(日立インサイトグループ)の活動を開始した。Hitachi Insight Groupは米国カリフォルニア州サンタクララに本拠地を置き、日立、米国日立データシステムズ社、米国日立コンサルティング社などから構成され、グローバルでIoT関連事業の拡大を図る。

 日立は、これまで33種のIoT関連事業におけるソリューション・サービスを提供しており、2015年度のIoT関連事業の規模は約6,000億円となっている。今後もHitachi Insight Groupを中心に、2020年には1.46兆ドルになると見込まれる成長市場をリードし、マーケットシェアを高めていく狙いだ。

 また、幅広い事業領域で蓄積してきたOperational Technology(OT) とInformation Technology(IT)の融合により、IoT関連ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とするIoTプラットフォーム「Lumada」(ルマーダ)の提供を開始した。Lumadaは、データの統合、分析やシミュレーションから知見を得るソフトウェア技術などで構成されるオープンで汎用性の高いプラットフォームであり、事業領域ごとのIoT関連ソリューションを迅速に開発することができるという。

 これはHitachi Insight Groupが中心となりLumadaを活用することで、生産性や安全性の向上、プロセスの最適化、オペレーションコストの削減など顧客の課題の解決、さらには人々のQuality of Lifeの向上に貢献するデジタルソリューションを迅速に構築・提供する。また、日立は、Lumadaの活用により、IoT関連事業のエコシステムを構築していく方針だ。(編集担当:慶尾六郎)