民進党の大西健介衆院議員は16日の衆院予算委員会で、今国会の会期末まで2週間あまりとなったが、URを巡る建設会社からの金銭疑惑の説明が果たされないまま、甘利明・前TTP担当大臣が病気療養(睡眠障害)を理由に国会に出てこないことを取り上げ、委員会として参考人招致するよう強く求めた。竹下亘委員長は「理事会で検討する」と約した。
また、甘利前大臣の元気な姿が確認されており、地元の有権者に甘利氏の名前で手紙が送られているなどの指摘のうえで、受け止めを質された安倍晋三総理は「想像で質問されているので、わたしも答えようがない」とかわした。
この日の委員会で大西議員は「睡眠障害は、たった数時間も国会に出て来られないような病気なのか。このまま1度も出てこないまま国会が終わってしまうことになれば、国会議員としての職責を果たすことも難しいということではないか」とし「そうであれば、いったん(議員を)お辞めになって病気療養に専念すべきではないのか」と提起した。
甘利前大臣は今年1月28日の大臣辞任会見以来、『睡眠障害のため、加療が必要』として国会に出ていない。加藤議員は「議運で自民党は本日の会議に対して(甘利議員から)欠席の届けが出ているが、以降について、甘利事務所に確認しないと分からない、との説明だった。なぜ、出てこられないのか」と安倍晋三総理に質した。
安倍総理は「これは、甘利前大臣が、事実について述べておられるのだと思います」と答えるにとどまった。
このため大西議員は「東京地検特捜部がURにも強制捜査に入った」とし、そうした中で、甘利前大臣はダンマリを決めていると甘利氏の姿勢を問題視した。
特に、大西議員は「甘利氏の元気な姿が目撃されている」と指摘した。大西議員は「熊本地震が起きた4月11日の週に、甘利元大臣の地元の有権者の下に手紙が届いたという証言を複数得ている。おそらく直筆の手紙を便箋様用紙にコピーしたものだと思う。ここに入手している」として示したうえで、その内容について「あっせん利得処罰法にあたるような事実はまったくありません。その点はご安心頂きたいと思います、と書いてある。無実だというのであれば堂々と出てきて、(国会で)説明されればいいのではないか」と指摘。
大西議員は「甘利前大臣は国会をさぼっているのに、ちゃっかり選挙活動はしている。衆院を解散した途端に元気な甘利さんが出てきて選挙運動をするということがあるのか」とし「このような状態で、甘利前大臣を公認することになるのか。これで国民の理解を得られると思っているのか伺いたい」と自民党総裁としての安倍総理の意見を求めた。
これに安倍総理は「加藤議員は今、いろいろ想像で質問されているので、わたしも答えようがない」とした。
安倍総理は「甘利前大臣は説明責任を果たしていくとおっしゃっておられるので、そのようにして頂けるものと思う」とし「与党であれ、野党であれ、政治資金の問題はしっかり説明責任を果たしていく事が求められている」とだけ答えた。(編集担当:森高龍二)