【今週の展望】サミットのホスト国マーケットに波乱あり?

2016年05月22日 20:16

0205_002

41年前に経済を議題に始まったサミット。だが今回の重要議題は、テロ、難民、外交。伊勢志摩サミットへのマーケットの期待は、それが平穏無事に終わること、か?

 今週、5月第4週(23~27日)は5日間の取引。26、27日に三重県で「G7伊勢志摩サミット」が開かれ、27日にオバマ大統領が広島の平和記念公園を訪れる予定。

 世界の主要株式市場の休場日は、23日にカナダ、26日にブラジルが休場する。

 国内の経済指標、イベントは、サミット以外は23日の貿易統計、25日の3ヵ月予報、27日のCPIが重要。「今年はラニーニャ現象で暑い夏になる」と言われているが、3ヵ月予報で確かめたい。夏は暑いほうが夏物が売れ残らず、景気には好影響。

 23日には4月の貿易統計、3月の景気動向指数改定値、4月の全国スーパー売上高、24日には4月の白物家電の国内出荷実績、25日には気象庁の3ヵ月予報(6~8月)、26日には4月の企業向けサービス価格指数、27日には4月全国、5月東京都区部の消費者物価指数(CPI)、4月の外食売上高が、それぞれ発表される。26~27日に三重県志摩市賢島でG7(先進7ヵ国)首脳会合「伊勢志摩サミット」が開かれる。

 主要銘柄の決算発表は3月期本決算が終了して端境期。23日はタカショー、24日はヤガミ、25日は内田洋行など、26日はプラネット、27日は日本駐車場開発、日本スキー場開発、大和コンピューター、エイチ・アイ・エス、アインHDなどが発表する。

 新規IPOは今週はなし。6月15日に東証マザーズに上場するホープ<6195>とアトラエ<3541>から再開する。6月はすでに8銘柄の上場日が決まっている。

 海外の経済指標、イベントでは24日のドイツのZEW景況感指数が重要。

 23日にはドイツ、フランス、ユーロ圏の5月のPMI、アメリカの5月の製造業PMI、24日にはドイツの5月のZEW景況感指数、アメリカの4月の新築住宅販売件数、5月のリッチモンド連銀製造業指数、4月の北米半導体製造装置BBレシオが、それぞれ発表される。24日にユーロ圏財務相会合が開かれる。トルコで政策金利が発表される。

 25日にはドイツの5月のIFO景況感指数、アメリカの3月のFHFA住宅価格指数が発表される。25日にEU財務相会合が開かれる。カナダで政策金利が発表される。

 26日には英国の1~3月期のGDP改定値、アメリカの4月の耐久財受注、中古住宅販売仮契約、5月のカンザスシティ連銀製造業活動指数、27日には中国の1~4月の工業企業利益、アメリカの1~3月期のGDP改定値、5月のミシガン大学消費者態度指数速報値が、それぞれ発表される。

 アメリカの主要企業の決算は、24日にトール・ブラザーズ、25日にコストコホールセール、ティファニー、HP、26日にアーバクロンビー&フィッチ、ダラー・ゼネラル、ダラー・ツリーが発表する予定。

 前週末20日の日経平均終値は16736.35円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は16705円の25日線も、16629円の5日線も、16598円の75日線も下にある。前週は18日に25日線が75日線を上に抜く「ゴールデンクロス」が出現した。200日線は20日終値から1259円上空の17995円にあり、はるかな宇宙で星々のはざまの闇をさすらう孤独な旅人。

 日足一目均衡表の「雲」は20日時点で16328~16385円。その下限は23日は16238円、24日は16286円、26日は16290円と上昇するが、27日は16190円に下がる。上限は23日から25日にかけては16385円だが、26日は16365円、27日は16290円と下がっていく。「雲」は前週の18日と19日の間で「ねじれ」を起こしたが、今週も26日と27日の間でもう一度「ねじれ」を起こす。腸捻転でも起こしたようにねじれてばかりの雲だが、6月は薄いまま徐々に位置が上がって、再び2回ねじれる。

 20日終値は25日線より31円高いだけなので、ボリンジャーバンドでは25日線-1σの16275円と+1σの17134円の「ど真ん中」に位置する。トレンド系指標だけで判断すれば上にも下にも動きやすいポジションに位置している。

 オシレーター系指標は「買われすぎ」シグナルが2個点灯している。一つはストキャスティクス(9日・Fast/%D)で、77.9で買われすぎ基準の70をオーバー。もう一つはRCI(順位相関指数)で、+83.9で買われすぎ基準の+50をオーバーしている。それ以外は、25日移動平均乖離率は+0.2%、RSI(相対力指数)は36.9、ボリュームレシオは52.0でほぼニュートラルな位置にあるが、サイコロジカルラインは8勝4敗で66.7%、25日騰落レシオは116.8で、これらは買われすぎ基準に近い。オシレーター系は買われすぎの色がけっこう濃いため、今週は「上値限定」のサインが出ていると言えるだろう。

 5月13日時点の需給データは、信用買い残は4月28日時点に比べて1049億円増の2兆6046億円で、連休週をはさんで2週連続の増加。信用倍率(貸借倍率)も3.72から4.08へ2週連続の増加。裁定買い残は5月6日時点から117億円増加して1兆8106億円で3週ぶりの増加。信用評価損益率はマイナス10.72%で、4月28日時点のマイナス11.54%から0.82ポイント動いた。