人工知能(AI)が人の相談に乗る。そんな時代が来た。NTTレゾナントは検索サイトgooが提供している「教えて!goo」にてAIが相談に応じる無料のサービスを8月を目処に開始することを発表した。サービス内容はAI自らが深層学習の手法を用いて、サイト内で過去の利用者同士のやりとりを分析して役立ちそうな回答を提示するというものになっている。
「教えて!goo」は、利用者が投稿した質問に別の利用者が答えるという無料質問コーナーだ。恋愛や育児、家事などの相談サービスとして一ヶ月のユニークアクセス数は約7400万回にも達する。
AIをサービスとして提供することでNTTレゾナンスは24時間365日、悩みに対していつでも回答が得られること、膨大なQAデータの中から最適な回答を得ることが出来るとしている。
検索サイトが質問に回答をするというサービスは世界的にも新しい取り組みだ。サービス開始にあたって、NTTレゾナントは人工知能AIにはNTTの技術corevoの活用に加え、独自の技術開発を行い、これによってDeep Leaningと呼ばれる深層学習の精度を上げることに成功した。
サービスが実施されると、AIは人間に混ざって回答する。相談内容だけではなく、相談者の年齢や職業、そして質問の意図まで分析して、答えを導き出す。同じ質問者が過去に質問をしていれば、それも分析に加える。サービス開始から当面の間は、使えそうな過去の回答をほぼそのまま引き写す形になるが、人気が出て学習していけば、いずれAI独自の回答を得られるようになるという。なお、AIの回答と利用者からの回答を並列して提示することで、質問者がどちらも閲覧出来る仕組みだ。
今回選ばれた恋愛というジャンルは、数多くある中で最も質問が多い。NTTレゾナントはいずれ、続いて相談が多い介護や育児など、幅広くサービスを拡大していくと意欲を見せている。(編集担当:久保田雄城)