IT専門調査会社 IDC Japanは、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表した。
2016年第1四半期(1月~3月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場は183万台、前年同期比5.9%減、家庭市場は111万台、同比11.4%減、計294万台、同比8.1%減となった。
クライアントPC市場は2016年第1四半期に、ようやく1桁までマイナスが鈍り、需要が戻ってきた。振り返ると2014年第3四半期(7月~9月)には、Windows XPの特需、消費税増税の反動から出荷台数が落ち込み始め、前年同期比19.9%減となった。続く2014年第4四半期(10月~12月)は32.5%減、2015年第1四半期には41.5%減に達し、同年第2四半期(4月~6月) 36.0%減、第3四半期 21.9%減、第4四半期 16.4%減、そして2016年第1四半期に8.1%減まで戻してきたとしている。
上位5社のベンダーシェアについて2015年第4四半期と比較すると、HP Inc.がデルを抜き東芝と並ぶ3位タイになった。また上位5社の中でHP Inc.とデルが前年同期比でプラス成長となっている。
NEC レノボ グループは、ビジネス市場で前年同期比1.3%増、家庭市場では同比21.3%減となり、全体では9.5%減となった。
富士通は、ビジネス市場で前年同期比9.1%減、家庭市場では同比0.4%減となり、全体では7.4%減となった。
東芝は、ビジネス市場で前年同期比20.2%減、家庭市場では同比0.7%増となり、全体では11.7%減となった。
HP Inc.は、ビジネス市場で前年同期比5.2%増、家庭市場も同比9.9%増のプラス成長、全体では5.9%増となった。上位5社の中でビジネス市場、家庭市場ともにプラス成長を遂げたのはHP Inc.だけだという。
DELLは、ビジネス市場は前年同期比5.6%減でしたが、家庭市場が同比56.2%増とけん引役となり、全体では6.0%増となった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネージャーの片山雅弘氏は「グーグルは、Google Homeを2016年末に発売すると発表した。音声認識や人工知能を使い、新たなライフスタイルを提案し、リビングルームに新たな需要を創出しようとしている。かつて日本も、テレパソ、リビングルームPCなどで、リビングルームでのPCの定着を目指していたが、この新たな動きを取り込み再び需要を創出できるのか、2016年はPCにとって非常に重要な年になる」とコメントしている。(編集担当:慶尾六郎)