カフェインと上手く付き合うために 「デカフェ」という選択

2016年05月31日 12:11

画・カフェインと上手く付き合うために 「テ_カフェ」という選択

1日のカフェイン摂取量の上限は体格によって異なるが、100~300mgとされている。ドリップコーヒー100mlあたりのカフェイン含有量は約60mg。コーヒーカップ1杯がおよそ160mlなので、1日3杯程度まで問題ないとされている。

 多くの健康効果を持つ飲み物として注目されているコーヒー。脂肪燃焼に血液サラサラ、肝臓障害の抑制に心臓病や脳卒中リスクの低減など、さまざまな効果があることが報告されている。主な有効成分は覚醒作用と抗炎症作用があるカフェインと、抗酸化・脂肪燃焼作用のあるクロロゲン酸をはじめとするポリフェノール。しかしこのうちカフェインは過剰摂取により体に悪影響を及ぼすことも分かっている。

 カフェインには血管を収縮させる作用があり、人によっては片頭痛や動悸を引き起こす原因となる。さらに「日本人にはカフェイン不耐性の人が4人に1人はいるとの報告がある」とする専門家もいる。昨年には20代の日本人男性が栄養ドリンクの過剰摂取により「カフェイン中毒死」したことが驚きを持って報道された。また、妊娠中にカフェインを摂取すると胎盤や母乳を通じて母親と同じ濃度のカフェインが胎児に与えられることになるため、妊産婦は1日にコーヒー1~2杯程度に控えておきたいところだ。

 それでも「カフェタイムが唯一の息抜きなのに…」という人は多いだろう。そんな人にオススメしたいのがカフェインレスのコーヒー「デカフェ(De caffeinatedの略)」だ。最近はカフェチェーンなどでも提供されていたり、ドリップパックで販売されていたりと、少しずつ広まりを見せている。

 コーヒー豆からカフェインを抜く方法には有機溶媒を使うものや水を用いて抽出するものなどいくつかあるが、日本で主流になりつつあるのが「液体二酸化炭素抽出法」だ。一定以上の圧力と温度を加えた二酸化炭素でカフェインを除去する方法で、コーヒー本来の味や香りが損なわれにくいとされている。実際に飲んでみると、いわゆる「コク」と呼ばれる深みのようなものが少なくさらっとした味わいに感じるが、充分「コーヒー」を名乗れる代物なのが分かる。

 カフェインが除去されてももうひとつの特徴であるポリフェノールは失われていないので、抗酸化作用や脂肪燃焼効果はそのままだ。最近ではクロロゲン酸が持つ強い抗酸化作用が紫外線を浴びて作られてしまった皮膚の色素細胞の働きを抑制するため、シミができにくくなるという美肌効果も報告されている。さらに、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて2型糖尿病のリスクが最大58%下がるという効果はデカフェでも同様に認められたとの調査報告が出ている。自分の体を考えて、選択肢のひとつに加えてみてはいかがだろうか。 (編集担当:久保田雄城)