歴史に汚点を残す 元総理が強く非難

2016年06月01日 08:12

 民進党の菅直人元総理は安倍晋三総理が世界経済のリスクを理由に消費税10%の実施を2019年10月に2年半先送りするとしたことについて、安倍総理の自民党総裁任期が2019年9月であることを取り上げ「消費増税は自分の時はやらず、後任総理にやらせるということ。政治家としてこれほど無責任な決定があるのか。歴史に汚点を残すやり方だ」と強く非難した。

 菅元総理は「歴代総理は国民の抵抗の強い消費税の引き上げで苦労した。それでも社会保障財源と財政健全化のため批判を覚悟で進めた」としたうえで「安倍総理はアベノミクスで経済成長を実現し、社会保障充実と財政再建のために消費増税を公約した。しかし、アベノミクスの失敗で全てが八方ふさがりに陥った。それを取り繕うため、2度にわたって消費増税を延期し、増税は自分の後任の総理にやらせるというのが、今回の決定」と無責任だと指摘している。

 安倍総理は消費税引き上げを1年半遅らせるため国民に信を問うとして一昨年12月に総選挙を実施した。今回、それより長い2年半遅らせるのに、今度は衆院を解散し国民に信を問うことは避ける意向という。「国民に信を問わないとすれば、ご都合主義の党利党略選択の総理として、歴史に汚点を残すことになるかもしれない」との見方もある。(編集担当:森高龍二)