国内ネットワーク設備投資市場は18年から増加に転じる 19年からは5G向け投資も始まる

2016年07月08日 08:22

 IT専門調査会社 IDC Japanは、国内通信事業者のネットワーク設備投資市場の2015年の分析と2016年~2020年の予測を発表した。

 ネットワーク設備投資市場は2018年以降増加に転じ、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はプラス0.1%、2020年の市場規模は1兆150億円とIDCでは予測している。

 2015年の市場はLTE向け設備投資が大きく減少したため、市場規模は2014年から18.9%減少し1兆77億円となった。移動体通信事業者は引き続き投資抑制を進めたが、一方で、新たにLTE-Advancedのキャリアアグリゲーションに対応する基地局ネットワークへの投資を行うなどの動きが見られたという。

 国内ネットワーク設備投資市場は、2018年から増加に転じると予測している。長距離通信事業者による400Gbps長距離伝送への投資の本格化や、モバイルデータトラフィックの継続的な増加に対応するため、LTE高速化の対応エリア拡大とキャリアアグリゲーションへのさらなる投資が見込まれるという。加えて、2019年からは、5G向け投資が始まるとIDCでは予測している。

 国内通信事業者は、基地局の小型化とオペレーション自動化に取り組み、投資抑制と効率化を推進している。IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの藤村成弘氏は「通信事業者は、2016年以降、2020年の5G商用化に向けたネットワークアーキテクチャ設計を本格化する。通信事業者向けネットワーク機器ベンダーは、ハードウェアやソフトウェアの提供にとどまらず、5Gを見据えて、設計から導入までをセットにしたソリューションと導入後の運用サポートを充実していくことが必要である」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)