4日、三菱自動車が燃費偽装問題でストップしていた軽自動車の生産を水島製作所(岡山県倉敷市)で再開した。しかし、8月末まで三菱自の従業員約400人が休業する見通しで、取引先への部品の新規発注は7月末からという。
4日、三菱自動車<7211>が燃費偽装問題でストップしていた軽自動車の生産を水島製作所(岡山県倉敷市)で再開した。しかし、8月末まで三菱自の従業員約400人が休業する見通しで、取引先への部品の新規発注は7月末からという。休業せざるを得ない下請け企業の従業員も少なくなく、燃費偽装の影響を受けたのはユーザーだけではないと考えさせられる。
水島製作所では燃費偽装があった「ekワゴン」などの軽4車種をつくっていたが、4月下旬から停止し、一部の乗用車などを生産していた。再開初日には長さ約930mの組立ラインを試験的に動かし、この日は点検がメインで完成したのは5台だったという。
須江隆行所長は「やっと車がつくれる。従業員も不安だったと思うが1つの区切りがついた」と語ったが、仕事がしたくてもできない人もいるのが現状だ。三菱自で休業していた従業員1,300人中、戻ったのは900人で、勤務態勢も生産停止前は1日昼夜2交代だったが、しばらくは昼勤務だけにするという。
サプライヤーや下請け企業への影響も気になるところだ。岡山県の調査によると、三菱自向けの部品工場を構える企業は県内に34社、従業員数は9,445人にのぼるが、雇用への影響が想定よりも小さく済んだのが不幸中の幸いだった。
水島製作所の生産台数は30万台超で、このうち燃費偽装の該当車は20万台ほど。生産が止まったのが水島製作所のうちの軽4車種のみで、電気自動車「i-MiEV」や輸入向けの「ギャラン フォルティス」の生産は引き続き行われていた。
岡山県中小企業団体中央会が実施したアンケートによると、三菱自と取引がある30社の中で、軽4車種に対する売上高比率が7割を上回ったのは1社のみという。軽4車種のみに依存している企業はごくわずかで、工場の全面停止を余儀なくされた企業は数社にとどまった。
三菱自は9月から生産台数を本格的に増やす予定だが、軽の今後の売れ行きがわからず、影響が長引く恐れがある。
全国軽自動車協会連合会が発表した6月の「軽自動車ブランド別新車販売台数」によると、三菱自は2ヶ月連続で7割超の大幅減。燃費偽装の余波はまだしばらく続きそうだ。(編集担当:久保田雄城)