東京商工リサーチによると、社長の出身大学では、約113万人の卒業生を抱える「日本大学」がトップだった。ただし、都道府県別では、特に北陸と中国で、地元の国立大学出身者が目立つなど地域によって違いが表れたという。
社長の「出身大学」では、卒業生が多い日本大学が2万4,136人で2位以下を大きく引き離してトップになった。次いで、2位が慶応義塾大学1万3,072人、3位早稲田大学1万2,201人、4位明治大学9,893人、5位中央大学9,128人、6位法政大学7,242人と東京都に本部を置く大学が続き、ベストテンはすべて私立大学だった。
国公立大学では、東京大学が4,075人で12位にランクし、以下、21位京都大学が2,523人、25位北海道大学が2,093人、26位大阪大学が2,090人、31位九州大学が1,911人、32位東北大学が1,858人の順で、戦前の帝国大学の流れをくむところが続く。
このほかの国公立大学では、37位に神戸大学、46位に名古屋大学、48位に広島大学、51位に千葉大学、58位に長崎大学、61位に一橋大学、63位に鹿児島大学、67位に新潟大学、72位に岡山大学、74位に信州大学、76位に金沢大学、77位に大阪市立大学と続き、国公立大学は上位100位以内に26校がランクインした。
都道府県別では、日本大学出身の社長が20都県でトップを占めた。特に東北・関東が目立ち、日本大学が上位3校に入っていない地域は、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、福岡県、熊本県、沖縄県の9府県だけだった。
このように地元大学を押し退けて、日本大学出身者が全国にわたり人数が多いのは、全国各地に付属校・系列校があって、地方企業の経営者の子息、子女が付属や系列校から大学へ進み、卒業後に事業を引き継ぐケースが多いことや、教育理念の「自主創造」に則ったベンチャー精神の育成などが背景にあるとしている。
地元大学(東京都を除く)が社長出身大学のトップを占めたのは、東日本から北海道大学(北海道)、東北学院大学(宮城県)、愛知学院大学(愛知県)、三重大学(三重県)、富山大学(富山県)、金沢大学(石川県)、福井大学(福井県)となった。
また、西日本では同志社大学(京都府)、近畿大学(大阪府)、甲南大学(兵庫県)、鳥取大学(鳥取県)、岡山大学(岡山県)、広島大学(広島県)、山口大学(山口県)、徳島大学(徳島県)、松山大学(愛媛県)、福岡大学(福岡県)、長崎大学(長崎県)、熊本学園大学(熊本県)、鹿児島大学(鹿児島県)、琉球大学(沖縄県)などで、特に北陸・中国では地元の国立大学の健闘が目立つ。
2015年の社長出身大学のランキングでは、東京大学(15→12位)、京都大学(23→21位)、北海道大学(28→25位)、九州大学(38→31位)、東北大学(34→32位)など、有名国立大学が軒並みに前年より順位を上げた。これは、経営に安定と堅実さが重視され、優等生タイプが求められている表れかもしれない。社長の出身大学にも動きが出ていることが興味深いとしている。(編集担当:慶尾六郎)