日本経済団体連合会の榊原定征会長はトルコで16日、クーデター未遂事件が発生したことを受け「今の混乱した情勢に憂慮している。日本政府には邦人の安全確保はじめ、情報の収集・分析に全力で努めていただきたい」とのコメントを同日発表した。
榊原会長は「トルコは日本の友好国であり、政治、経済、文化をはじめ様々な分野で関係が深い」とし「トルコが国際社会においても重要な役割を担っている」ことを踏まえ「経団連としても日本トルコ経済委員会を中心に事態の推移を注意深く見守っていきたい」とした。
トルコ軍の一部が現政権の転覆を図ろうとしたとされ、市民ら数十人が死亡しているという。安倍総理は同日朝、関係国と連携して情報収集に全力をあげること、在留邦人の安全に万全を期すよう関係閣僚に指示した。
外務省によると「日本時間の16日午前4時頃、トルコで軍の一部勢力が戦車等を持ち出し、蜂起行動を起こした」としている。
このため「アンカラ市内では軍部司令部が集中する地域で戦闘機が低空飛行、参謀本部周辺でも戦車等が展開されている。イスタンブールではアジア側とヨーロッパ側をつなぐ二つの橋の片側(アジア側からヨーロッパ側)が軍警察の戦車によって封鎖され、アタテュルク国際空港におけるフライトの発着が全てストップしているとの情報もある」としている。
外務省は、治安の悪化を受け「トルコ滞在中の邦人は『トルコに対する海外安全情報』に留意し、報道等により状況の推移を注視し、外出を見合わせるよう」呼びかけている。
また「情勢の不安定化に伴い、テロ発生の可能性もある」とし「滞在中の邦人はテロの標的になりやすい場所(欧米関連施設、デパートや市場、観光施設、公共交通機関、政府施設、デモ発生箇所など不特定多数が集まる場所)には十分な注意を払い、不審な状況を察知したら、その場を離れるなど安全確保に十分注意するよう」求めている。(編集担当:森高龍二)