文部科学省は小学校では平成30年度から、中学校では31年度から「特別の教科」として位置付けて授業が行われることになっている『道徳科』の指導方法や評価の在り方について専門家会議で議論を進めており、10回目の会合を22日に開く。
道徳科については、時の政府が特定の価値観や考え方を押し付けることや、そうした基準で評価するようなことにつながらないか、時の政府の教育への介入の危険を指摘する声もある。
これに対し、文部科学省は「道徳科の評価で、特定の考え方を押しつけたり、入試で使用したりはしない。調査書〔内申書〕にも記載したりしない」と明確に示し、「道徳的な価値を自分のこととしてとらえ、よく考え、議論する道徳へと転換し、特定の考え方に無批判で従うような子供ではなく、主体的に考え、未来を切り拓く子供を育てる」ことを目的とする改革としている。
また「評価は教育改善のためのもので、道徳科では数値で評価し、他の子供達と比較したり、入試で活用したりすることはしない。また『国や郷土を愛する態度』などの個別の内容項目の評価はしないので『愛国心』を評価することなどあり得ない」と懸念に対し回答している。
文部科学省は「道徳科の評価は道徳科の授業で自分のこととして考えている、他人の考えなどをしっかり受け止めている、といった成長の様子を丁寧に見て行う、記述による『励まし、伸ばす』積極的評価を行う」と省HPで明示した。
文部科学省は道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議の議論を今月中にもまとめたうえで、都道府県教育委員会に周知していく予定だ。(編集担当:森高龍二)