労働総研が国税庁の民間給与実態調査(2014年)をベースに、時給1000円以下と1500円以下の就労者数を推計したうえで、最低賃金を時給1000円に引き上げた時の経済効果を試算したところ、消費需要は1兆8500億円の増加、雇用も18万6300人増えると22日までに発表した。
時給1500円にした場合では消費需要増加額は12兆1000億円、雇用は122万300人増えるとしている。雇用については、消費増で拡大する国内生産に対する労働量を残業などでカバーしないことを前提に算定している。
国税庁の民間給与実態調査では就労者5617万8000人のうち、年間賃金が100万円以下の人が985万5000人、100万円以上200万円以下が859万人、200万円以上300万円以下が895万人と300万円以下の人が就労者全体の48.8%を占めている。
事業所規模5人以上の労働者1人の平均年間総実労働時間(全国平均、2015年)が1735時間だから、時給1000円で計算すると年間173万5000円。1500円計算で年260万1000円。
この計算から時給1000円以下の就労者は1626万人、1500円以下でみると2399万人いることになる。時給を1000円にすることで、1626万人に収入増の効果が図られ、1500円では2399万人に効果が期待できるとしている。(編集担当:森高龍二)