最低賃金24円引き上げに菅長官「大いに歓迎」

2016年07月27日 18:23

 菅義偉官房長官は27日の記者会見で、厚生労働省中央最低賃金審議会小委員会が最低賃金引き上げ目安をまとめ、全国平均で24円の引き上げ見通しになったことについて「安倍政権が目指しているデフレ脱却と成長と分配の好循環。これを実現するためには最低賃金の引き上げを行って個人消費を喚起することが重要と思っている」とし、安倍政権が1億総活躍プランでも目指した最低賃金3%アップに一致する24円引き上げを歓迎するとした。

 菅官房長官は「最低賃金の引き上げが現行制度になって比較可能な平成14年以降で、はじめて20円の大台を超えた格好になる。政府としては大いに歓迎したい。引き上げ率で昨年の2.3%を大幅に上回る3%になっている」とし「すべての都道府県で20円を超える高い目安になる」とした。

 菅官房長官は「大幅な最低賃金引き上げを実現していくうえで、中小企業や小規模事業者の皆さんに生産性の向上が重要になってくる。そのため、中小企業などへの支援を政府全体でしっかりと取り組んでいく必要がある。また企業収益の拡大が賃上げや企業の設備投資に結びつくよう環境を整備していく」と語った。菅官房長官は「(全国加重平均での時給)最低賃金1000円を実現できるよう取り組んでいきたい」と今後も1000円の目標達成へ環境づくりに意欲を示した。

 昨年は全国加重平均で18円引き上げが行われ、平均798円になった。今回24円引き上げが行われれば822円になる。政府が2010年に閣議決定した新成長戦略では2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長を前提として「全国最低で800円、全国平均1000円を目標に」あげている。(編集担当:森高龍二)