【今週の振り返り】追加緩和に終始振り回され57円下落した週

2016年07月30日 20:08

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日銀会合が黒い雲のようにたれ込め、経済対策を表明しても、報道が先走っても、伸びきれず終値は16600円台どまり。そして「部分的緩和」で激しく踊る、乱高下タンゴ。

 日経平均始値は68円安の16596円。高値は9時1分の16616円。安値は10時12分の16450円。終値は187円安の16476円。民主党大会で副大統領候補にケーン上院議員が選ばれた。朝に為替の円高が進んで日経平均は16600円を割って始まり、序盤は一時16600円台にタッチしても16500円台。ドル円が104円台まで円高が進み10時前から日足一目均衡表の「雲」の中に落ち16400円台に。それでもドル円が105円台に戻ると10時台後半には雲の上に出て、前引けは16550円。関東・甲信地方で梅雨明けが発表され、昨年から18日遅れで夏本番が到来。後場はドル円が再び104円台になり、16500円付近で再開。日銀会合の結果発表を翌日に控えた様子見で、16400円台後半で小動きしながら時折16500円にタッチするという展開が最後まで続き、大引けは16476円。終値で日足一目均衡表の「雲」の上に出られなかった。

 新規IPOが1件。廃棄物に再資源化処理を施して合成樹脂を製造・販売する再生樹脂製造販売事業、産業廃棄物処理事業を手がけるリファインバース<6531>が東証マザーズに新規上場。公開価格1700円より62.9%高い2770円の初値がついた。これで7月の新規IPOの5件は全て終了し、成績は全て初値が公開価格を上回る5戦全勝。次回の新規IPOは9月以降で、これで夏休み入り。8月16日に東証1部と札幌証券取引所に上場するサツドラHD<3544>はサッポロドラッグストアー<2786>が持株会社に移行するもので、新規IPOではない。

 日経平均終値は187.98円安の16476.84円、TOPIX終値は-14.67の1307.00。売買高は18億株、売買代金は2兆3738億円。値上がり銘柄数は628、値下がり銘柄数は1236。プラスは鉱業、繊維の2業種。マイナスは31業種で、その下位は空運、その他製品、銀行、電気・ガス、証券、精密機器など。上海総合指数は0.07%高だった。

 29日の日経平均は乱高下の末に反発。NYダウは終盤一時プラスに戻っても15.82ドル安で小幅続落。NASDAQは3日続伸。終値41ドル台まで原油安が進行。決算はフェイスブックは良くてもフォードは採算が悪化した。朝方の為替レートはドル円が104円台後半、ユーロ円が116円台前半。CME先物清算値は16565円。大阪夜間取引終値は16590円。

 日経平均始値は117円安の16359円。高値は0時44分の16679円。安値は0時50分の16174円。終値は92円高の16569円。アルファベット(グーグル)もアマゾンも好決算。この日が第1四半期決算発表のソニー<6758>が村田製作所<6981>に電池事業を売却すると報じられていた。月末金曜の朝恒例の政府発表の6月の経済指標は、完全失業率は0.1%低下し3.1%、有効求人倍率は1.37倍で1991年10月以来の高水準、CPIは6月全国は-0.5%で4ヵ月連続マイナス。7月東京都区部は-0.4%。家計調査の二人以上世帯の実質消費支出は-2.2%、鉱工業生産指数速報値は前月比+1.9%、商業動態統計の小売業販売額は-1.4%だった。雇用は良くても財布のヒモが堅く、消費は上向かない。

 朝8時前に誰かの仕掛けかと思われるドル円103円台までの円高進行局面があったが、すぐ元に戻った。日銀会合の結果発表を前に市場参加者の神経はピリピリ。始値は16359円まで売り込まれたが、序盤でプラスに浮上し16500円を突破する。しかし押し戻され前日終値をはさむ激しいアップダウン。思惑が交錯しキツネとタヌキの化かしあいのような駆け引き。プラス圏にタッチしたのは9時台前半だけで、その後は10時台まで16400円台前半で動くが、じりじり円高が進んでいたドル円レートが104円を割り込むと11時台には一時16400円を下回る。それでも底堅く戻して、前引けは16411円だった。

 東北地方も梅雨明け宣言したが、昼休みも何かと落ち着かない動き。日銀の金融政策決定会合の結果が出ないまま、後場は小幅プラスで始まりながらプラスとマイナスの間で乱高下し、ソワソワ、ソワソワ。0時45分すぎについに追加緩和が発表される。ETFの年間買入ペースを3.3兆円から6兆円にほぼ倍増させるものの、REIT、国債の買入枠もマネタリーベースもマイナス金利もみんな現状維持。「成長支援資金」という米ドルの供給枠を240億ドルに倍増させる措置は、国際業務をしていない企業には無関係。