政府は英国海兵隊の将校がキャンプ・シュワブなどで在日米軍海兵隊の訓練に参加していたとする報道に対し、糸数慶子参議院議員(沖縄選出)の質問に答え「現在、英国政府に事実関係について確認中」と11日までに答えた。
糸数議員は「昭和46年12月の参院本会議で、当時の福田赳夫外務大臣は『安保条約は我が国の施設・区域を、米軍に提供するものであり、第3国人に対して提供するものではない。従って第3国人の訓練を我が国において行うことは許されない」と答えており、整合性について政府見解を質問主意書で求めていた。
政府は福田外務大臣の答弁と同じ見解を説明したうえで「もっとも、在日米軍の施設・区域内の米軍の活動に米軍以外の外国の軍隊や軍人が参加することが、いかなる態様であっても日米安保条約上、禁じられているというものでなく、在日米軍の施設・区域内の米軍の活動への米国以外の外国の軍人の参加が日米安保条約の許容する範囲内のものであるか否かは個々の事案に則して判断されるべきものと考える」と答えた。英国政府の回答等を待って判断することになる。
この問題は沖縄タイムスが英国政府への情報公開請求で分かったとして報じた。同紙によると「英国防省海軍司令部は訓練が双方の合意に基づき2015年1月に始まったと説明。これまでに中尉2人が『ジャングル戦闘訓練と射撃訓練』に参加したと明らかにした」としている。
同紙は「国連軍が使用できる米軍基地は日本国内に7カ所あり、沖縄県内では嘉手納基地、普天間飛行場、ホワイト・ビーチの3カ所。法的には英国軍も使用できるが、シュワブやハンセンは国連軍施設ではなく、訓練自体も国連とは無関係に実施されている」として「法的な問題がある」と指摘していた。糸数議員はこの点を質問主意書で政府に質していた。(編集担当:森高龍二)