無理矢理かさ上げした『大風呂敷』にすぎない

2016年08月03日 07:15

 政府が閣議決定した事業規模約28兆1000億円の「未来への投資を実現する経済政策」に対し、社会民主党の又市征治幹事長は2日、「見かけだけ無理矢理かさ上げした『大風呂敷』にすぎない」としたうえで「肝心の中身や効果が置き去りなっており、財政法の定める補正予算の『緊要性』、少子高齢化による人手不足も踏まえ、公共事業の費用対効果など精査が必要」とのコメントを発表した。

 又市幹事長は「28兆円という数字が踊っているが、国・地方の歳出額は7.5兆円で、2016年度第2次補正予算案に計上されるのは4兆円。国が企業に低利で資金を貸し出す財政投融資、政府系金融機関の融資枠拡大分、民間企業の負担分などを合算し、見かけだけ無理矢理かさ上げした大風呂敷にすぎない」とした。

 また「総理が参院選中に社会保障財源として『赤字国債は無責任』とレッテルを貼った結果、赤字国債は発行しない代わりに4年ぶりに『建設国債』を発行することになり、社会保障の拡充ではなく、公共事業で景気を刺激するという旧来型の手法を招く結果になった」と提起した。

 また「21世紀型のインフラ整備と言うが、内実は旧来型の公共事業の大盤振る舞いで、しかも公共事業を上積みしても将来の需要を先食いするだけであり、建設業などの人手不足は深刻であることから、対策の効果も乏しい。農林水産物輸出拠点にしても、生産者の所得向上につながるのかどうか疑問」としている。
 
 また、リニア中央新幹線について「そもそもリニア新幹線はJR東海が全額負担することを前提に国が認可したもの。3兆円の財投貸し付けなど公費を投入するというのであれば、リニア建設計画自体を見直すべき」とも提起した。秋の臨時国会でも論戦のひとつになるもよう。(編集担当:森高龍二)