石破茂・元防衛大臣は「領土、領海侵犯に対し警察や海上保安庁が対応し、能力的に不足する場合に自衛隊が治安出動や海上警備行動で警察権の行使として対応する現在の法制は本当にこれで万全なのか」と26日のコラムで提起している。
石破氏は「侵されているのが国家主権で、侵している主体が外国勢力の場合には自衛権で対応するのが国際的な常識のはず」と指摘。
そのうえで「領土や領海侵犯に対して警察や海上保安庁が一義的に対応し、領空侵犯の場合は『航空警察』『航空保安庁』が存在しないため、いきなり航空自衛隊が自衛隊法の『領空侵犯措置』で対応することになる」とたしかに領海・領土侵犯とバランスを欠く対応になっている。
石破氏は「航空自衛隊が自衛隊法の『領空侵犯措置』で対応し、これも警察権の行使として整理されているが、本当にこれで十分な抑止力が働くのか、早急な検証と法整備が必要」と書き込んだ。
「昭和53年に『いざとなったら超法規』ということを戒め、有事法制整備の必要性を訴えて金丸信防衛庁長官に解任された栗栖弘臣統合幕僚会議議長(故人)の時代と本質的にはあまり変わっていないのかもしれない」と、この議論が全く進んでいないことをうかがわせた。
石破氏は「中国船の尖閣海域における行動、北朝鮮の潜水艦発射型ミサイルの発射など、不穏な情勢が常態化・顕在化しつつある。『ああ、またか』と日本国民の反応が鈍くなってしまうことが一番恐ろしい」とも。国会での議論が待たれる。(編集担当:森高龍二)