陸上自衛隊が静岡県御殿場市の東富士演習場で28日行った国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」の一般公開について、佐藤正久元防衛大臣政務官は「昨今の北朝鮮の挑発行為、中国の南シナ海、尖閣諸島周辺海域への進出、国際社会の声を無視する強硬な態度に国民の皆さんも危機意識を高めていることが伝わってくる」と自身のブログに書き込んだ。
ブログではこの演習が「国民の防衛意識向上に寄与する」との受け止めを示し「国民の防衛意識を超える防衛力はつくれません」としている。また「南シナ海で起こったことは東シナ海でも起きうると最悪のシナリオを、現実感を持って受け止める人が増えているのでしょう」との認識も示した。
そのうえで「国を、国民の生命を守り抜くために、今起きていることを国民に知らせ、みなさんとともに国を守っていきたいと思う」としている。
一方、安保法制に反対している日本共産党は機関紙(赤旗)で、この演習について「弾薬約36トン、3億9000万円相当の税金がつぎ込まれた」とするとともに、演習の公開配布資料で「稲田朋美防衛大臣が『アジア太平洋地域を含め、グローバルなパワーバランスの変化が起きている』と強調し、戦争法によって『抑止力が向上し、切れ目のない対応を行うことが可能となった』と述べた」と中国の動きを念頭にあいさつしているものと伝えた。
また「演習に隊員約2400人が参加。戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約700両が用いられた」と報じた。(編集担当:森高龍二)