【今週の振り返り】フェアウェイを刻んで刻んで564円上昇した週

2016年09月03日 20:12

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本当に上手なゴルファーは、飛ばさず冒険せず、パーを連ねてパーセーブ。それはつまり「平常心を保つ」ということ。東京市場も、やればできる?

 9月1日の日経平均は小幅続伸。トランプ氏がメキシコを訪問して大統領と会見したが、移民政策軟化の兆しなし。期待しないほうがいいらしい。ADP雇用リポートは市場予測を上回っても、原油先物価格が44ドル台へ3%を超える下落ではNYダウは53ドル安で続落。朝方の為替レートはドル円が103円台前半、ユーロ円が115円台前半。CME先物清算値は16910円。大阪夜間取引終値は16900円。

 日経平均始値は2.24円安の16885円。高値は0時46分の16941円。安値は9時11分の16864円。終値は39円高の16926円。取引時間前にドル円が少し円高方向に動いたので、始値は16900円に届かず小幅マイナスで始まり、序盤はプラスとマイナスの間で小動き。前日に続き16900円台はタッチしても定着できない。10時台は50を上回った製造業PMIなど中国の経済指標に反応して高値を取ったりマイナスに沈んだりしたが、11時台には前日終値、16900円を少しだけ超える水準に落ち着いて前引け。これでは日銀は動かない。後場は前引け水準で再開するが、じりじり円安が進む為替に刺激されたのか、にわかに上昇し高値を更新する。しかし16950円を超えられず短時間で終わる花火。今週はこんなふうに「ノリが悪い」状態が続く。1時台前半までは16920円台を保っていたが、後半から下落して一時16900円を割り込む。それでもプラス圏は維持。2時台も16900円を軸に小幅にもみあい、大引けで少しだけ上に跳ねて16926円で終えた。

 日経平均終値は39.44円高の16926.84円、TOPIX終値は+7.84の1337.38。売買高は18億株、売買代金は1兆9541億円で再び大台割れ。値上がり銘柄数は1182、値下がり銘柄数は656。プラスは24業種で、その上位はその他製品、銀行、水産・農林、医薬品、その他金融、パルプ・紙など。電気機器1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは8業種で、その下位は鉱業、保険、ガラス・土石、石油・石炭、空運、機械など。上海総合指数は0.71%安だった。

 2日の日経平均は3日ぶりの「プチ反落」。TOPIXはプラス。ISM製造業景況感指数が50を下回り、新車販売台数も悪化。新規失業保険申請件数も市場予測を下回った。原油先物価格が4日続落しNYダウはマイナスの時間帯が長かったが、経済指標悪化で利上げが遠のく見方で長期金利は低下し終盤プラスに転じ18ドル高。NASDAQもプラス。為替はロンドン時間にドル円が一時104円台にタッチしたが朝方は103円台前半。ユーロ圏PMIが悪化してもユーロ円は115円台後半。大阪夜間取引は一時17000円に乗せたが終値は16930円。CME先物清算値は16955円。

 日経平均始値は23円安の16903円。高値は10時25分の16946円。安値は1時13分の16848円。終値は1.16円安の16925円。小幅マイナスで始まり、序盤は16900円を下回る時間帯が多い。アメリカの新車販売は日本勢が軒並みマイナスになり自動車関連銘柄が軟調。アップルが納入価格の引き下げを要請した話でアップル関連の電子部品銘柄も下落。ドル円は103円20銭付近で動かない。それでも日経平均は10時台にかけて徐々に下げ幅を圧縮し、TOPIXを露払いにプラスにタッチ。だが高値を取っても16950円には届かない。その後は前日終値付近でもみあうが前引けは7円高で、これで今週、日銀の出番はなくなった。

 後場はマイナスで再開し、16900円を割り込み1時台にかけて安値更新が続き、16850円付近まで下げる。ドル円は103円台でも雇用統計待ちに利益確定売りの金曜日が重なり、さらになぜか長期金利が上昇。「緩和策を総括的に検証する」という9月の日銀会合でマイナス金利が見直されるという思惑だが、19日も先の話。マイナス圏、16860円付近で小動きの後、反発し下げ幅を圧縮する。2時に8月の消費動向調査が発表され、消費者態度指数は7月比で+0.7ポイントの42.0だが50割れが続き、基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。日経平均は16900円にも戻れないまま。2時台はTOPIXがプラスになり、終盤になって16900円を超えて前日終値に急接近し瞬間プラスにタッチしたものの、わずかなマイナスで終了した。

 新規IPOが1件。総合コンサルティングファームのベイカレント・コンサルティング<6532>が東証マザーズに新規上場。初値は公開価格2100円より6.5%安い1963円で黒星。今週の新規IPOは1勝1敗。「生まれた時が悪いのか、それともオレが悪いのか」で言えば、相当程度「オレ」が悪い。売出し株数が異常に多くて需給が悪く、吸収金額も318億円と多いため公開価格が仮条件の下限にとどまった。ここ数年、数は少ないがいわゆる「上場ゴール」を何度も見てきたので、投資家も賢くなり、データから投資ファンドの「出口戦略」を見破るようになっている。

 日経平均終値は1.16円安の16925.68円、TOPIX終値は+3.38の1340.76。売買高は16億株、売買代金は1兆8673億円。値上がり銘柄数は854、値下がり銘柄数は945。プラスは19業種で、その上位は保険、電気・ガス、証券、石油・石炭、その他金融、食料品など。マイナスは14業種で、その下位は精密機器、ガラス・土石、金属製品、パルプ・紙、鉱業、電気機器など。上海総合指数は0.13%高だった。

 今週の星取は3勝2敗。前週末8月26日の終値16360.71円から564.97円上昇して今週の取引を終えた。今週は、8月29日の1番ロングホールでいきなり17000円にワンオンして「イーグル」の後、「ボギー」「パー」「ボギー」「パー」の出入りが予想されたが、フタを開ければローソク足は5日とも「終値>始値」の白(陽線)で、5連続「パー」でイーブンというところ。トータルは同じスコアでも、堅実にスコアメイクできるほうが、メンタルが安定した良いゴルファーだ。(編集担当:寺尾淳)