外務省は8日、安倍晋三総理と韓国朴槿恵大統領との首脳会談内容について、安倍総理が冒頭に「昨年末の合意以降、日韓関係が前向きに進展していることは大変喜ばしい」とし「朴大統領と共に未来志向の協力を進め、『日韓新時代』を築いていきたい、また5日の北朝鮮による弾道ミサイル発射は許しがたい暴挙であり、国連安保理を含め、日韓で緊密に連携していきたい旨を述べた」と発表した。
慰安婦問題については「安倍総理が昨年末の合意に基づく10億円の支出を完了した旨を述べ、ソウルの日本大使館前の少女像の問題を含め、引き続き合意の着実な実施に向けた努力を行うよう韓国側に強く求めた」とした。
外務省の報告では「これに対し、朴大統領から日韓合意を着実に実施していくことが重要である旨の発言があり、両首脳は合意を引き続き誠実に実施していくことで一致した」としている。ただ、少女像については移動に反対する声も根強く、時間をかけた姿勢を求められそうだ。
会談では、安倍総理から「日韓の諸懸案について、適切にマネージしつつ、安全保障、経済、人的交流など幅広い協力を未来志向で進めていきたい旨を述べ、朴大統領から青少年交流やオリンピックに関する相互協力を含め、未来志向の韓日関係に向けて共に協力したい旨が述べられた」としている。
また、北朝鮮問題では「北朝鮮のミサイル発射など挑発行動は安保理決議の明白な違反であり、日韓米で連携して北朝鮮に対する圧力を強化すべきである旨を安倍総理が述べ、両首脳は日韓及び日米韓で引き続き緊密に連携していくことで一致した」とした。
対北朝鮮問題では稲田朋美防衛大臣が7日、韓国とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定=ジーソミア=国家間で軍事上の機密情報を提供し合うとともに、漏えいを防ぐ)締結を早期にすることが望ましいとの考えを示しており、日韓両国首脳の信頼関係が深まれば締結への近道になることは確かなよう。(編集担当:森高龍二)