192回国会が26日召集され、衆院憲法審査会会長に自民党憲法改正推進本部長だった森英介・元法務大臣が就任した。森氏は与野党協調を重視する立場で、就任あいさつでも「公正円満な運営に努める」ことを強調した。
森会長は就任あいさつで「会長の重責を担うことになった。気を引き締めて重責を全うしたい」とし「審査会は憲法および憲法に関連する基本法制について調査し、憲法改正にかかる発議、国民投票等に関する法案を審査するため、衆参に設置されたもの。憲法は国のあり方、統治の基本原理を定める根本規範。あらゆる法令の基本をなすもの」とあいさつ。
そのうえで「現在、我が国が直面する多くの課題には、憲法に係る重要な問題をはらむものも少なくない」とし「日本の国家像を全国民的見地に立って議論することの意義は極めて大きい。審査会に課せられた使命は誠に重大。公正円満を旨とし、各会派が異なる意見にも耳を傾け、互いの立場を超え、自由闊達に議論することができるよう、委員各位のご指導を賜りながら、公正円満な運営ができるよう努めていく」と公正円満な運営を強調した。
憲法改正に関しては、25日のNHK番組で、自民党の二階俊博幹事長が「党の憲法改正草案を中心に議論したい」意向を示し、民進党の野田佳彦幹事長は「自民党の憲法草案は国民の権利を軽んじ、(すべて人間は生まれながらに自由、平等であり、幸福を追求する権利を有するとする)天賦人権説まで否定しているような、国中心の、国のあり方を変えるとしか思えない憲法草案。こういうものを実現するためにやるのであれば、この憲法草案を撤回するところから始めないと議論は粛々と進められない」とした。二階幹事長は「野田さんの考えはよくわかったが、われわれは、これを撤回する気はない」などと答え、入り口から難航しそうな気配になっている。(編集担当:森高龍二)