民進党の菅直人元総理が『金権政治』が原発の廃止を阻(はば)んでいると、ブログに自民と財界の癒着傾向を懸念する書き込みを行った。「今、金権政治が復活しつつある」と警鐘を鳴らした。
菅元総理は田中角栄元総理のブームが起きていることに関連して「田中角栄ブームに違和感を覚える」とし、理由について「田中政治は地元に大きな恩恵を与えた。その点は否定しない。しかし、田中政治のもう一つの本質、お金の力で政治力を生みだすという金権政治を忘れてはならない。今、その傾向が再び復活しつつあるからだ」と書き込んだ。
菅元総理は「私は1974年、田中内閣の時に行われた金権選挙と呼ばれた参院選で、市川房枝さんを担ぎ出し、その選挙事務長を務めた。第2位で当選した市川さんは第3で当選した青島さんと経団連に乗り込み、自民党への政治資金を経団連が集めることを止めるよう申し入れた。それに対し、当時の経団連会長土光さんは『分かった』と言って経団連による組織的政治資金集めを止めた」と紹介。
そのうえで「今経済界はこぞって自民党に献金を申し出ている。保育や介護などの充実より、労働法制や租税特別措置などで、企業=株主の利益になる政策を自民党にやらせたいからだ。民主的な議論で法案が決まるのならいいが、政治献金によるお金の力で政策が決まるのは民主主義ではない」と警鐘。
菅元総理は「電源三法という名の法律により、原発を立地した自治体に大きなお金が支払われた。新潟の柏崎刈羽原発はこうした制度の下に建設された。原発の廃止を阻んでいるのも金権政治の力」と金権政治復活にならないか、懸念を示している。(編集担当:森高龍二)