民進党の矢田わか子参院議員は29日の参院本会議で継続審議になっている『労働基準法』の改正問題を取り上げ「改正はホワイトカラー・エグゼンプションを導入しようとするもので、一定条件の下、時間外・休日労働の割増し賃金を不払いにしてよいというもの」と提起するとともに、「対象となる労働者に業務や年収による条件、健康確保措置の条件が課せられるが、対象労働者が長時間労働を強いられることが想定される。また年収1000万円以上の条件もいずれ引き下げられ、対象者が膨れあがる懸念もある」と指摘した。
矢田議員は、そのうえで、この制度により「労働への負荷が一段と高まり、メンタルヘルス疾患・過労死がさらに増えるおそれもある。働き方改革に関する具体的な検討がスタートしているが、労働者側の意見や実態を十分に踏まえたうえで検討を進めるべき」と労働大臣の見解を求めた。
塩崎恭久厚生労働大臣は「労基法改正案には長時間労働を是正するために企業に対して年5日の年次有給休暇を指定することの義務付けや中小企業における時間外労働の賃金率引き上げなどが盛り込まれている」と労働者の待遇改善につながるものとした。
また「自律的・創造的な働き方を対象とする高度プロフェッショナル制度の創設や裁量労働制の見直しは、これまでより厳格な労働時間の把握を行うとともに、医師による面接指導の義務付けなど、働き方に見合った健康確保のための厳しい措置を講じるので、この法案により、長時間労働が強いられ、メンタルヘルス疾患や過労死が増えるとのご指摘は当たらないと思う」と答えた。(編集担当:森高龍二)