賃金「分単位の切り捨て 労基法違反」厚労相

2016年03月29日 10:18

 日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は28日の参院予算委員会で「ブラックバイト」の悪質例をあげ、塩崎恭久厚生労働大臣に取り締まり強化を求めた。塩崎大臣は取り組みを強化していることを示したうえで、さらに実効があがるよう積極姿勢を見せた。

 また勤務時間について使用者側に正確な把握義務があり、準備時間や残業時間の切り捨ては違法ですねとの問いに、塩崎大臣は「労働時間は分単位で把握する必要がある。賃金や割増賃金の計算では分単位での切り捨ては労働基準法違反になる」と答えた。

 また辰巳議員はブラックバイトの悪質例として(1)会社のシフト変更で、学生がテスト期間中も休めず、バイトをやめたいと言っても代わりの人を見つけてこい。空いた分の損害賠償を請求するぞと脅された(2)コンビニなどで恵方巻、バレンタイン、お中元、お歳暮、クリスマスケーキの販売に過大なノルマを課せられ、達成できない場合に自腹で買い取らされた(3)店の皿を割ってしまったら故意ではないのに損害賠償を迫られたなどをあげた。辰巳議員は「これらは法令に違反するということでよいのか」と確認した。

 塩崎大臣は「会社が一方的にシフトを変更してくるという話だが、シフト変更には事前に会社側と労働者側との間で合意が必要だ。合意なしにシフト変更はできない」とした。

 また「あらかじめ契約期間が定められていない場合、働く方が退職を申し入れて2週間経てば退職できる。代わりの方を見つけるまで勤務しなければならないという義務はない」。

 また「売れ残りを働く方が買い取る義務はない。代金を賃金から天引きすることも出来ない。店の物や商品を壊した場合、賠償しなければならない物も中にはあるだろうが、少なくとも、本来の値段以上を罰金として支払う必要はない」と断言した。(編集担当:森高龍二)