16年度上半期の全国企業倒産は件数が4,217件、負債総額が6,626億4,900万円

2016年10月15日 18:53

 東京商工リサーチによると、2016年度(平成28年度)上半期(4-9月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が4,217件、負債総額が6,626億4,900万円だった。

 倒産件数は、前年同期比3.8%減で年度上半期としては8年連続で減少した。これはバブル期の1990年度同期(3,070件)に次ぐ、26年ぶりの低水準。依然として金融機関が中小企業のリスケ要請に対応しているほか、財務内容に改善の兆しがみえる企業への貸出増も追い風になっているようだとしている。

 負債総額は、前年同期比29.2%減だった。年度上半期としては2年ぶりに前年同期を下回った。年度上半期では1989年度同期(6,696億700万円)以来、27年ぶりに7,000億円を割り込んだ。これは、負債10億円以上の大型倒産が94件(前年同期比14.5%減)と、1989年度同期の82件以来、年度上半期で27年ぶりに100件を下回ったことが影響したとしている。

 2016年度上半期の産業別倒産件数は、10産業のうち7産業で前年同期を下回った。こうしたなか、飲食業などを含むサービス業他が1,112件(前年同期比2.9%増)で、年度上半期としては2年ぶりに前年同期を上回った。内訳をみると、学習塾(12→21件)、自動車整備(30→47件)、労働者派遣業(31→35件)などで増加が目立った。

 これに対し、建設業は806件(前年同期比4.7%減)で、年度上半期としては2009年度以来、8年連続で前年同期を下回った。また、小売業は582件(同0.6%減)、年度上半期としては4年連続で減少した。ただし内訳では婦人・子供服小売(56→60件)、男子服小売(12→16件)などで増加し、個人消費関連の今後の動向が注目される。

 製造業が584件(前値同期比13.2%減)で7年連続の減少、卸売業は655件(同3.5%減)で4年連続の減少、不動産業は140件(同0.7%減)で2年連続で減少した。

 2016年度上半期の地区別では、全国9地区のうち6地区で前年同期を下回った。こうしたなか、北陸109件(前年同期比13.5%増)と中国184件(同2.7%増)がともに年度上半期としては5年ぶりに増加に転じた。また、東北が171件(同16.3%増)で、2年ぶりに前年同期を上回った。各地区の産業別では、北陸が飲食業などのサービス業他(23→44件)で増加が目立ち、中国は建設業(40→53件)と小売業(23→30件)、東北は製造業(19→31件)と不動産業(3→10件)で件数を押し上げた。

 一方、関東1,618件(前年同期比2.9%減)と近畿1,044件(同7.7%減)が、ともに7年連続で前年同期を下回り、北海道137件(同0.7%減)と中部564件(同2.7%減)が、ともに4年連続で前年同期より減少した。さらに、四国75件(同1.3%減)は2年連続で、九州は315件(同15.3%減)で、2年ぶりに前年同期を下回ったとしている。(編集担当:慶尾六郎)