2012年度からスタートした「地域型住宅ブランド化事業」。国土交通省が2010年度から行ってきた「木のいえ整備促進事業」を名称変更したもので、地方自治体や様々な住宅関連の団体単位でも盛んに事業化や制度化されてきた木造住宅の建設促進や、地域材の利用拡大、そして長期優良住宅の普及促進を目的とした施策だ。
この事業には、中小住宅生産者等が他の中小住宅生産者や木材供給、建材流通等の関連事業者とともに構築し、公募したグループの中から「地域型住宅ブランド化事業評価委員会」が評価を行い、採択されたグループに決められた範囲での補助金が支給される。
実際、地方工務店などの間ではこの事業は浸透しており、昨年行われた第1回公募の応募では全国で592グループあり、施工事業者は複数のグループに所属するケースもかなりあったが、純粋な事業者数が1万1276社(延べ1万4496社)に上った。
そんな中、全国の地元工務店のネットワーク「ジャーブネット」(主宰:アキュラホーム)は自らの特長を活かし、この事業に積極的に取り組んでいる。
昨年の第1回では、同ネットワークから「東海家守りネットワーク」(代表企業オカザキホーム)らが採択され、先日結果が発表された第2回では、「ジャーブネットビルダー連合福島」(代表企業光建設)をはじめとする4グループが採択された。
同ネットワークは、長期優良住宅等の技術・ノウハウを持つ工務店が他をバックアップする体制を構築している。また、住宅履歴情報の管理・運営を行うエポシステムを利用することで、工務店・住まい手などがそれぞれの立場で履歴共有出来るなどのメリットを活かし、多くの採択グループを誕生させている。グループ全体でも、知識習得・技術向上を目的に定期的な情報共有や勉強会も実施されている。
「地域型住宅ブランド化事業」は各自治体や地方関連団体でも積極的なサポート体制を作っているのも特徴だ。
神奈川県では、県の県土整備局や建設業関係団体からなる「神奈川県住宅・建築関係事業者支援協議会」が同事業のサポートをしており、第1回では11のグループが採択された。他にも県内の様々な関連団体や企業からなる「埼玉県住まいづくり協議会」により発足された「埼玉県住まいづくり協議会コバトンの家グループ」が、第2回の同事業に採択されており、このように都道府県単位での支援体制も積極的に行われている。
一般的にはまだ認知度は低いかもしれないが、地方工務店を中心にこの事業はメジャー化されており、やがては「ゼロエネ住宅」へと繋がる試金石になっていると言っても過言ではない。(編集担当:北尾準)