政府は1日の閣議で、現在、ソマリア沖で実施している海賊対処活動に対し、今後1年間、護衛艦1隻とP-3C哨戒機2機の態勢で実施することを決めた。
稲田朋美防衛大臣は1日の記者会見で、海賊対処にあたっていた護衛艦を減らすことについて「活動開始当初は200件以上の海賊対処が必要だったが、今は0件ないし未遂1件程度に減っている」とした。
そのうえで、稲田防衛大臣は「海賊発生件数が減ったものの、海賊の根本的な要因であるソマリアの貧困など、根本的原因は解消されていない。そのため、海賊対処活動を続ける。ただ護衛艦は1隻態勢でよいということ」と説明した。
一方、北朝鮮の核や弾道ミサイル実験を背景に、日本を取り巻く安全保障環境は厳しくなっているとして「そういった点もしっかりとこれから対応していくということ」と、ひきあげた護衛艦の有効活用をうかがわせた。
また、稲田防衛大臣は「北朝鮮の動向について重大な関心をもって情報収集・分析に努めている。いかなる事態においても国民の生命・財産を守るべく万全の体制をとるという観点から所要の体制をとっている」と答えた。(編集担当:森高龍二)