消費者庁の調べで、行政機関での内部職員らからの公益通報・相談窓口が府省庁、都道府県では今年3月末時点ですべてのところに設置されていることがわかった。一方で、市区町村では「人手が足りない」などの理由で、設置率は52.1%とほぼ半分にとどまっていた。
設置できていない理由では「人手が足りない」(35.9%)としたものが最も多かったが、「同規模の市区町村も設置していない」(33.1%)と必要性より、横並び意識もうかがえた。また「規模や組織の状況からみて、通報者の秘密が守れない」という課題をあげたところが21.8%あった。
このほか、「効果が期待できない」(17.3%)、「どのようにして設置すればよいかわからない」(14%)「職員間の不和のもとになる」(6.9%)、「予算の手当てがない」(5.9%)というものや、「どのような制度なのか、分からない」という認識不足の自治体も3.2%あることが分かった。
通報窓口制度を設置している府省庁・都道府県・市区町村では「職員にとって安心して通報を行う環境が整備された」「職員にとって不正行為に対する抑止力として機能している」との声が多いほか、業務改善の機会にもつながっているとの効果をあげるものもある。(編集担当:森高龍二)