日本経済団体連合会の榊原定征会長は28日までの記者会見で、来春の労使交渉について「経済界のスタンスを年明けにも2017年度版経営労働政策特別委員会報告で明確にする」と語った。
また、先に開かれた政府の「働き方改革実現会議」で安倍晋三総理から来春の賃上げについて(1)少なくとも前年水準の賃金引上げと4年連続のベアの実施、(2)期待物価上昇率を勘案した議論など来年の春季労使交渉で賃金引上げに向けた要請があった、とした。
榊原会長は「経済の好循環を引き続き回していくためには、賃金引上げのモメンタムを維持していく必要がある」としたうえで「ベアは一度実施すれば、様々な形で経営に長期的に影響することから、手当やボーナスなど業績反映型の処遇改善を重視したい企業が多い」とし「ベアを含めた『年収ベースでの賃金引上げ』を目指すことになるだろう」と語った。
また「ベアだけでなく、全体的に処遇を改善していくことこそ重要である。手当や賞与、労働条件など全体的な処遇改善を図り、消費喚起につなげていきたい」とした。(編集担当:森高龍二)