11月1日から6日にかけて開催された中国国際航空宇宙博覧会にて、中国の国産ステルス戦闘機「J-20」が公開された。政府・軍幹部らも見守る中、同博覧会の開幕セレモニーでデモンストレーション飛行を披露した。
J-20はレーダーに補足されにくい次世代ステレス戦闘機で、米国のステルス戦闘機「F22」の対抗機として開発されてきた。早ければ2017年に実戦配備されるとみられ、中国の軍事力増強に繋がると考えられている。
中国メディアはJ-20の生産量が500から700機に達する可能性も報道している。これが事実であれば、米国のF-22が178機しか生産されないのに対して数で圧倒できるという。J-20を上手く量産体制に乗せられれば現在の主力機から世代交代が進み、日本や西側諸国に対して大きな脅威になると危惧する意見もある。
運動性能が明らかにされていないだけに、今回の博覧会を受けて各メディアで様々な推測がなされている。ロイター通信はJ-20がF-22の対抗機になり得ると報道。一方米メディアのフォーリン・ポリシーでは「エンジン排気口のステルス性能は低い」「J-20はレーダーに簡単に発見されてしまう」と報じた。朝鮮日報も翼の面積が大きく、ステルス性能は低いと報道しており、本当の実力は未知数だ。
しかし習近平国家主席は軍事強化を着実に進め、新兵器や防衛システムの自国開発・生産を増やし、軍事訓練も活発化している。11月25日には中国軍機6機が沖縄本島と宮古島の間の後悔上空を通過し、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進した。空自のスクランブル発進は今年上半期で594回、そのうち407回が中国機だった。こうした側面から見ても中国軍の活発化は見て取れる。
今回の航空宇宙博覧会のJ-20デモンストレーションは軍事力強化をアピールする狙いがあるとも言われている。実力は未知数ではあるが、J-20が配備されれば軍事訓練などがより一層活発化することも予想される。日本の国防にも今後影響を及ぼしそうだ。(編集担当:久保田雄城)