政府は21日開いた原子力閣僚関係会議で高速増殖炉『もんじゅ』の廃炉を決めた。相次ぐトラブルの末、1兆円以上の事業費を投資しながら、成果も出口も見いだせず、さらに、今後、運転をめざせば文部科学省によると54000億円を要するとするなかで、廃炉が決まった。廃炉作業が来年度始まる。作業終了は2047年度になる予定。
また、政府は「もんじゅ廃止」と共に「もんじゅ」を含む周辺地域を高速炉研究開発拠点、原子力研究・人材育成拠点とすることなどを盛り込んだ「もんじゅ取扱いに関する政府方針」を決めた。
一方で、高速炉開発会議で取りまとめられた高速炉開発の方針も決定した。ここでは「世界最高レベルの技術基盤の維持・発展を図りつつ、高い安全性と経済性を同時に達成する高速炉を開発し、将来的な実用化を図り、国際標準化に向けたリーダーシップを最大限に発揮することを目標に掲げる。その実現のため開発目標等の具体化を図っていく」と新たな道筋をつけた格好。
合わせて、責任体制について「国、メーカー、電力、研究機関が密に連携しつつ、責任関係を一元化した体制の下で今後の高速炉開発を進めていくことが必要」とし「こうした体制の実現に向けて、国としても主導的な役割を果たしていく」とした。(編集担当:森高龍二)