政府が原子力閣僚関係会議で高速増殖炉『もんじゅ』廃炉を決める一方、新たな高速炉(実証炉)へ道筋をつけたことに、社会民主党の又市征治幹事長は21日、「原型炉の『もんじゅ』がフル稼働もせず廃炉に至ったという現実を重く受け止めるべきで、安全の根拠もなく次段階の実証炉に進むのは断じて認められない」と談話を発表、政府の対応を問題だとした。
又市幹事長は「政府は『もんじゅ』を廃炉にする一方、核燃料サイクル政策の推進を堅持し、高速炉開発の次のステップである『実証炉』へ進む」と批判。
又市幹事長は「東京電力福島第一原発事故で『安全神話』は崩れ、事故に伴う廃炉費などが21兆円超に膨れ上がる見通しだ」と指摘したうえで「もんじゅの反省もないまま、さらに天井の見えない負担が国民にのしかかることは認められない」とし「高速増殖炉は廃炉だが、高速炉は建設するといっても『看板の架け替え』にすぎない」と断じた。
また「高速増殖炉が破たんし、プルサーマルも進展しない状況で、日本は48トンにも増えたプルトニウムの利用計画さえ策定できずにいる」とし「政府は核燃料サイクル政策に固執するのではなく、きっぱりと撤退を決断すべき。また『もんじゅ』を廃炉にすると、その燃料であるプルトニウムを取り出す再処理工場も必要なくなるので、再処理工場の廃止も合わせて決断するよう求める」と訴えた。(編集担当:森高龍二)