政府は一般会計97兆4547億円規模の29年度予算案を22日、閣議決定した。過去最高額となる。28年度当初予算に比べ7329億円の増となった。率にして0.8%の増。
歳入の内訳をみると公債費が34兆3698億円と歳入全体の35.3%を占めた。所得税は17兆9480億円(歳入全体の18.4%)、法人税は12兆3910億円(12.7%)、消費税17兆1380億円(17.6%)などになっている。
一方、歳出では国債費が23兆5285億円と歳出全体の24.1%。このうち9兆1604億円(9.4%)は利払い費などになっている。また歳出で最も多いのは社会保障関係費で32兆4735億円と全体の33.3%を占める。
次いで地方交付税交付金など15兆5671億円(16%)。公共事業は5兆9763億円(6.1%)、文教科学振興の5兆3567億円(5.5%)、防衛費の5兆1251億円(5.3%)だった。
歳出を28年度当初予算と比較すると、国債費は836億円減少した。一方、地方交付税交付金などは7329億円の増となった。また一般歳出のうち社会保障関係費は4997億円増加。防衛費も710億円増加。エネルギー対策費も327億円増えた。
政府は予算案について「経済再生と財政健全化の両立を実現する予算」と強調。経済再生では「成長と分配の好循環」「働き方改革の推進」などをあげ「保育士・介護人材等の処遇改善、待機児童解消加速化プランに沿った保育の受け皿拡大、年金の受給資格期間の短縮、育児休業制度の拡充、雇用保険料の軽減、給付型奨学金の創設等」を具体例にあげた。
また働き方改革では「賃金アップを図る企業への助成、勤務間インターバルを導入する中小企業への支援、非正規労働者の 正社員転換や待遇改善に取り組む企業の支援」などをあげた。
財政健全化では一般歳出の伸びを5300億円増に抑えた。社会保障関係費も伸びを5000億円増に抑制できた。公債依存度は28年度の35.6%から0.3ポイント減らし、35.3%にすることができたとしている。(編集担当:森高龍二)