【今週の振り返り】日銀買い東芝ショックに勝てず313円下落の週

2016年12月31日 13:57

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7週連続上昇のトランプ・ラリー特急。それを停車させたのは、東芝だった。29日には東証1部売買高の28.4%を占めた。それでも年間騰落かろうじてプラスで終了

 日経平均終値は1.34円安の19401.72円、TOPIX終値は+0.58の1536.80。売買高は13億株、売買代金は1兆5591億円で今年最低を記録し、今週3日間は2兆円割れの薄商い。値上がり銘柄数は1411で値下がり銘柄数474の3倍近くもあり「相撲で勝って勝負で負けた」ような結果。プラスは21業種で、その上位は非鉄金属、鉄鋼、機械、海運、金属製品、建設など。マイナスは12業種で、その下位はゴム製品、繊維、食料品、医薬品、保険、空運など。上海総合指数は0.40%安。

 29日の日経平均は大幅安で続落。4連休明けのロンドン市場は3営業日続伸。ドイツDAX指数はプラス、フランスCAC指数はわずかなマイナス。NYダウは111ドルの大幅安で3営業日ぶりの反落。原油先物価格は4営業日続伸し54ドル台と堅調で、朝方に2万ドルの大台にあと18ドルまで迫ったが、午後に大崩れした。中古住宅仮契約販売指数が今年1月以来の低水準に沈んだことと、利益確定売り。S&P500もNASDAQもマイナス。「最高幹部一斉退社」と伝えられたツイッターは1.32%安。来年はトリ年だが、どこかに買収されるソフトランディングもできない不振企業はクモの子を散らすように人が欠けていく。朝方の為替レートはドル円が117円台前半、ユーロ円が122円近辺でやや円高。大阪夜間取引終値は19300円。CME先物清算値は19390円。

 日経平均始値は100円安の19301円。高値は始値の「寄り高」。安値は1時16分の19092円。終値は256円安の19145円。取引開始前、金融政策現状維持だった19、20日の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が発表されたが、金融政策について「景気回復と物価上昇に貢献している」と評価する意見が多かった。

 為替の円高が進行し日経平均は100円安の19301円で始まり、TOPIXもマイナス。それを「寄り天」に序盤はさらに下落。10時台になると19200円も守れず割り込み、ドル円は116円台へ円安進行。トランプ次期大統領がスプリントが5000人分の雇用を海外からアメリカ国内に戻すと発言したが、材料にならず「御三家」のソフトバンクG<9984>は1%を超える下落。海外投資家がまだ戻らず、あれだけ旺盛だった押し目買いも入らずに薄商い。東芝は値がついてもセリング・クライマックスで、今週だけで特別損失計上額を上回る時価総額が消えた。そのショックは相当深刻なようで上海市場も軟調。19200円台にもなかなか戻れない低迷は11時台も続くが、前引けは19210円で190円安。TOPIXも15ポイント安で、日銀のETF買いが入る条件を十分に満たした。

 後場は19300円を下回ってもほぼ前引け並みの水準で再開するが、上海市場がプラスに転じても東京市場は依然軟調。為替のドル円がズルズル116円台半ばまで円高進行すると、1時台には一時19100円も割り込んで安値更新。為替が円安方向に反転しても戻りは弱々しく、ほぼ19100円台半ばで低迷する。終盤の買い戻しも見られず250円を超える大幅安で大引け。日銀のETF買い742億円は律儀にちゃんと入っていた。発表が午後6時と遅いため、大引けで大幅安になると「きょうは日銀買いはパスか?」と、いつもの奮闘努力の甲斐もなく疑われる。日銀はつらいよ。

 日経平均終値は256.58円安の19145.14円、TOPIX終値は-18.41の1518.39。売買高は22億株で20億株台回復。売買代金は2兆796億円で2兆円台回復。しかし売買高の28.4%を東芝1銘柄が占めるという異様な日。値上がり銘柄数は342、値下がり銘柄数は1571。プラスは食料品1業種のみ。マイナスは32業種で、その下位は海運、鉄鋼、証券、銀行、金属製品、電気機器など。上海総合指数は0.20%安だった。

「大納会」の30日の日経平均は3日続落。NYダウがプラスだったのは朝方だけで、後はほぼマイナス圏で終値13ドル安。NASDAQもS&P500も下落。卸売在庫は+0.9%で市場予測を上回り、新規失業保険申請件数も1万件減と2週ぶりに改善し市場予測通りだったが、週間在庫統計が増加して5営業日ぶりに反落し終値53ドル台の原油先物価格に足を引っ張られた。朝方の為替レートはドル円が116円台前半、ユーロ円が122円台前半。大阪夜間取引は19000円を割り込んで始まり終値はジャスト19000円、CME先物清算値は19025円で、前年大納会終値19033円を上回って年間騰落プラスで終えられるかどうか、微妙になっていた。

 日経平均始値は147円安の18997円。高値は1時27分の19176円。安値は9時37分の18991円。終値は30円安の19114円。東京市場の今年最後の取引は、日経平均は19000円の大台を割り込んで始まった。それでも序盤は19000円を割る時間はほとんどなく、大台が下値支持のサポートラインの役割を果たす。10時台前半までは19000~19030円のレンジで小動きだったが、後半から上向きに動き出し11時台には19050円を超え高値更新。為替のドル円は116円台前半でほとんど動かないが、上海市場がプラスで始まったので多少の安心感が出た模様。東芝は朝から8営業日ぶりの反発。日経平均前引けは77円安の19067円で、+34円で年間騰落プラス圏を維持。TOPIXは-5.33で日銀のETF買い742億円が入る条件を満たした。もし年間枠を超えていても来年枠から持ってきて、予備費でやりくりできるはず。優秀で話のわかる〃会計係〃なら、そうする。

 正午頃から為替のドル円がいきなり106円台後半に円安進行。ユーロドル相場が乱高下していた。それを受けて後場は下げ幅を圧縮し19100円台にタッチして再開し、高値を更新。前日と違い東芝がプラスなので日銀買いも効果があるはず。1時台になると前日終値に急接近し、プラス転換。個人投資家の押し目買いが入った模様。しかし19200円台には乗せられず小幅高ゾーンでウロウロ。2時台になっても状況はさほど変わらず、上がっても19100円台半ば。終盤もおおむね小幅プラスを維持していたが、最後の最後で手じまいの利益確定売りが入って30円安になり、1年の最終売買日をプラスで終えることはできなかった。それでも年間騰落は終値でもザラ場でも5年連続のプラス。TOPIXはプラスで終えたが、年間騰落はマイナスだった。日銀のETF買いは満額の742億円がちゃんと入っていた。律儀さは、威力になる。