【今週の振り返り】日銀買い東芝ショックに勝てず313円下落の週

2016年12月31日 13:57

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7週連続上昇のトランプ・ラリー特急。それを停車させたのは、東芝だった。29日には東証1部売買高の28.4%を占めた。それでも年間騰落かろうじてプラスで終了

 東証の大納会のゲストはリオ五輪の女子レスリングで金メダルを取った伊調馨選手と、ゆるキャラの帝王「くまモン」。2011年の女子サッカーの「なでしこジャパン」以来、スポーツ選手がゲストに来た大納会の翌年の日経平均は年間騰落がプラスになるアノマリーがあるという。2017年も6年連続プラスで終わると期待して、いいのだろうか?

 日経平均終値は30.77円安の19114.37円、TOPIX終値は+0.22の1518.61。売買高は16億株、売買代金は1兆7125億円で20億株、2兆円には届かず。値上がり銘柄数は1071、値下がり銘柄数は768。プラスは15業種で、その上位は水産・農林、医薬品、精密機器、電気機器、その他製品、食料品など。保険1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは17業種で、その下位は電気・ガス、鉱業、鉄鋼、海運、非鉄金属、パルプ・紙など。上海総合指数は0.24%高のプラスで2016年の取引を締めくくった。

 今週の星取は1勝4敗。前週末22日の終値19427.67円から313.30円下落して今週の取引を終えた。8週ぶりの下落。12月の取引も終了。11月30日の終値18308.48円から805.89円上昇して今月の取引を終えた。第4四半期の10~12月は全てプラスで、3ヵ月で2664.53円も上昇した。2016年の取引も全て終了。2015年の大納会、12月30日の終値19033.71円から80.66円上昇して今年の取引を終えた。2012年から5年連続で年間騰落プラスだが、2012年が22.9%、2013年が56.7%、2014年が7.1%、2015年が9.0%だった年間騰落率は今年は0.4%で、最も低かった。

 とはいえ、英国の国民投票の結果が出てEU離脱という結果が判明した6月24日には14864.01円のザラ場安値をつけていたから、年の前半に4169.70円下げ、そこから4250.36円上がってプラスにたどり着いて終わるという「大いなる『いってこい』」の年だった。英国の国民投票とアメリカ大統領選挙の投票日直後の大波乱を思えば、年間騰落がマイナスになってもおかしくはなかった。

 今年の東京市場の「三賞」を選ぶとすれば、殊勲賞は8月から威力が倍加した「日銀のETF買い」、敢闘賞は日銀のマイナス金利で苦戦を強いられながら秋から株価が持ち直した「大手金融セクター」、技能賞は日経MJヒット商品番付東横綱「ポケモンGO」の「任天堂<7974>」。新規IPOの「新人賞」はLINE<3938>の株価が〃竜頭蛇尾〃だったので、IR(投資家広報)の良さも評価して、あえてJR九州<9142>。「残念賞」は東証2部に「十両落ち」したシャープ<6753>か? それとも年の瀬、せっぱ詰まってから7営業日続落の東芝<6502>の大逆転受賞か?(編集担当:寺尾淳)