NTT東日本はサービスロボットの市場投入に注力する姿勢を見せている。同社は16年度にも、人工知能(AI)搭載型ロボットによる店舗窓口での応対支援サービスを始める。店頭での受け付け、接客、案内、商品紹介の用途でロボットを活用し、販売促進につなげる。
ロボットによる産業の活性化や課題解決が期待されている。政府も2015年からの5年間で1000億円規模のプロジェクトを推進するなど積極的な姿勢を見せている。ロボットの分類は、大きくわけて産業用ロボットとサービスロボットとがある。産業用ロボットでは工場などの効率化、オートメーションで活用され、サービスロボットでは、介護や接客、教育などの用途で活用される。NEDOが10年に公表した「ロボットの将来市場予測」によれば、サービスロボット市場は20年には1兆円規模に、さらには35年には産業ロボットの約2倍となる5兆円規模へと成長すると見込まれている。
こうしたことを背景に、NTT東日本はサービスロボットの市場投入に注力する姿勢を見せている。同社は16年度にも、人工知能(AI)搭載型ロボットによる店舗窓口での応対支援サービスを始める。店頭での受け付け、接客、案内、商品紹介の用途でロボットを活用し、販売促進につなげる。介護向けのロボットサービスの提供もすでに開始しており、関連施設への納入を進めている。5年後に顧客へのロボット納入数を現行の30台から1万台に引き上げる計画。
同社の提供するサービスロボットの特徴としては、会話やカメラ撮影といった機能によりクラウド経由での案内を可能とする。騒がしい環境でも顧客の声を収集できるほか、設置場所により英語や中国語など多言語化への対応も検討するとのこと。また、価格訴求力を高めて他社と差別化を図っており、小型の卓上型ロボット「Sota(ソータ)」では、本体価格が1台10万円(消費税抜き)、クラウドサービスの利用料は1ライセンス当たり月3000円(同)となっている。介護向けアプリの費用は別途かかるとのことだが、手頃な価格帯だといえるだろう。
同社のサービスロボットには流通・金融業界、介護業界のほか、企業の商品・サービス提案、観光案内などの引き合いが増えており、ロボット開発を加速したい考え。接客や介護をロボットが担っている風景が当たり前になる日も近い。(編集担当:久保田雄城)