赤字続きで苦しむ東芝<6502>がメモリ事業も分社化を決定した、同社は2017年3月31日を目途に、社内カンパニーであるストレージ&デバイスソリューション社のメモリ事業(SSD 事業を含み、イメージセンサ事業を除く)を会社分割により分社化する方針を決定した。
同社は、メモリ事業を注力事業領域として位置づけており、大容量、高性能な三次元フラッシュメモリ(BiCS FLASH(TM))の開発・立上げを加速し、安定的にストレージ需要の拡大に対応していくためには大規模な設備投資を適時に行うことが重要な課題だとしている。そこで、同社のメモリ事業を分社することにより、メモリ事業における機動的かつ迅速な経営判断体制の整備及び資金調達手段の拡充を通じて、メモリ事業のさらなる成長、ひいては同社グループの企業価値の最大化を図る。
また、2016 年12 月27 日付「CB&I の米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について」にて公表のとおり、同社のグループ会社であるウェスチングハウス社のCB&I ストーン&ウェブスター社の買収に伴うのれんが数十億米ドル規模(数千億円規模)にのぼる可能性がある。こののれんの減損損失の可能性を考慮すると、2017年3月末までに同社グループの財務体質強化が必要であり、現在様々な資本対策を検討しているという。この会社分割においても、その資本対策として、外部資本の導入を視野に入れている。
前述したとおりメモリ事業は東芝の主力事業である。この分社化により、再生を図るが、果たしてそれがどちらにころぶか。日本の半導体事業全体を左右する決断でもあるため、今後の展開が気になるところである。(編集担当:慶尾六郎)