米国のドナルド・トランプ大統領が大統領令で中東・アフリカの7カ国の国民の入国を一時的ながら禁止した措置について、民進党の大串博志政調会長は1日の衆院予算委員会で「この大統領令は自由、平等、基本的人権など、安倍晋三総理がこれまで推し進めてきた外交の基軸と違うのではないか」と追及し、安倍晋三総理の受け止めを質した。
しかし、安倍総理は「入国管理は内政事項なのでコメントは控える」とし、7か国の国民の入国を禁じた措置について正面から答えることを避けた。安倍総理は「日本の立場は明確でゆるぎがない」などと答えるにとどまった。
大串政調会長は「日本が進めたい基本的価値と違うなら、そのことをきちんと言わなければならない」と安倍総理に求めた。また「各国の首脳がきちんと懸念の声をあげている中で、日本だけがコメントしないということは、トランプ大統領の入国制限を認めていることになるのではないか」と総理に対して米国並びに世界に向け、日本政府としての考えを発信するべきだとした。
また大串政調会長は「安倍総理はトランプ大統領に気兼ねがあるように見える」と2月10日の日米首脳会談では言うべきことは言うようにと釘を刺した。大串政調会長は「貿易交渉問題についても、2国間交渉と言う相手の土俵に安易に乗らないように、時間をかけて議論して欲しい」とも要請した。(編集担当:森高龍二)