安倍政権の沖縄重視姿勢の地元への伝達努力が続いている。岸田文雄外務大臣も今週末に、再び沖縄を訪問する予定。仲井眞弘多知事ら「地元との信頼関係構築が最優先」と語り、忌憚のない意見を聞く姿勢を強調する。
岸田外務大臣は在日米軍施設や区域を視察することも予定しており、基地問題をはじめとした現地状況をより正確に把握しておきたいとの狙いもある。
沖縄・北方担当の山本一太大臣も大臣就任から1ヶ月に沖縄訪問を3回。上京してきた仲井眞知事との顔合わせも含めると既に6回を数える。安倍総理もすでに沖縄を訪ねた。
安倍政権は沖縄重視を予算面でも具現化するため、沖縄振興予算に来年度3001億円、那覇空港第2滑走路の建設にむけた事業費も初年度分として130億円を充て、工期も14ヶ月短縮し、5年10ヶ月にした。交付金もソフトで803億円、ハードで810億円とほぼ満額を充当した。
その背景には、少なくとも普天間の移設は県外と沖縄県民に大きな期待を抱かせながら、結局、日米両国の中では辺野古への移転がベストと、鳩山政権から野田政権の中で振り出しに戻すしかなかったことへの政府に対する沖縄県民の不信感の払拭にある。政府への不信感は相当に根深いものになってしまったようだ。
安倍総理は就任直後から「できるだけ頻繁に沖縄に行ってほしい」と関係大臣らに指示している。頻繁に会うことで、その表情や態度、瞳の輝きから互いに何を求めているか、何を最も重きにおいて動いているかが肌で分かるようになる。損なわれた信頼関係はそこから埋めていかねばならない。辺野古への移設を口に出せるのは、さらに先の訪問時になるのかもしれない。(編集担当:森高龍二)