昭文社<9475>は、訪日外国人観光客向けの日本観光情報を発信するブランド「DiGJAPAN!(ディグジャパン)」が運用するFacebook投稿へのリアクションを独自分析し、2016年の国別の傾向・人気ランキングおよび2017年ヒット予測を発表した。
「DiGJAPAN!(ディグジャパン)」では、訪日外国人観光客に人気の定番観光スポットはもちろん、国ごとに異なる観光ニーズや、体験などの「コト消費」、日本各地の知られざる観光スポットにこだわり、現地出身スタッフが企画・取材した情報を発信している。今回のランキングからは、①人気の都市は東京から大阪・関西へ、②買い物より「日本でしかできない」体験が人気、③アジア圏(特に台湾)では、日本とほぼ同時に流行、タイムラグが少ない、の3つの傾向が読み取れたという。
関西国際空港の利用者増などを裏付けるように、同社の集積した情報でも具体的に商店街やご当地グルメなどディープな大阪を楽しみたいと考えている方が多いことがわかった。今後も大阪を基点として関西の広いエリアに訪日客が広がっていくと考えられるとしている。
「爆買い」は一段落したが、個人旅行(FIT)においては、一概に体験といってもコスパも非常に重視されている。和食がリーズナブルに食べられるお店に行くことや、日本文化を無料で体験できる施設なども注目を集めている。
物理的な距離が近く、リピーターの多いアジア圏では、日本で流行したことがそのまま現地でも話題なるほどタイムラグが少なくなっている。日本で話題の場所には、日本人も訪日客も集まるということが当たり前になっていきそうだとしている。
また、2017年のインバウンドではどんなことが流行するのか、2016年のヒットランキングと、同社在籍の各国マーケターの意見を加えて、DiGJAPAN!オリジナルの予測をまとめた。アニメの舞台や映画のロケ地をめぐる聖地巡礼は、日本国内でもブームだが、訪日客の間でも大変な人気になっている。特に日本のアニメの熱狂的なファンは各国に多く、アニメの舞台で結婚式用の写真を撮る人もいるほど。中国では「名探偵コナン」、台湾では「スラムダンク」、タイでは「ワンピース」など国によって好まれるアニメや映画は異なるが、2017年の注目は映画「君の名は。」。2016年に日本で公開され大きな社会現象となった同作だが2017年にも世界各地で順次公開予定だ。DiGJAPAN!でもすでに「君の名は。」に関連したイベントやカフェをご紹介し「行きたい」「見たい」というリアクションを得ている。
日本のお菓子や飲食物は、今までにない食感が体験できるものが、訪日客の注目を集めている。2014年に発売された果汁100%のソフトキャンディの「コロロ」は、見た目の可愛らしさと、本物の果物を食べているような食感がおもしろいと評判で、10個20個とまとめ買いする訪日客が多くいる。
観光のメインは「お買い物」から「体験」に移ってきたとはいえ、お買い物は旅の重要な要素であることは変わらない。最近の傾向としては、コスパが良く大容量のコスメや薬品をまとめて購入する訪日客が増えてきている。これは、リピーターが自分用に購入しているので、コスパを重視し、次来るときまで使用できるよう大容量のものを選んでいるよう。普段使いの化粧水などを自分用に買うということは訪日旅行をリピートする可能性が高いともいえるとしている。 (編集担当:慶尾六郎)