為替レートはほとんど動かず、後場は前引け水準で再開。少し退いて、後場も前場と同様に19420~19480円のボックスにはまる。3月期決算銘柄の4~12月期決算はこの日が東証の推奨期限。新規IPOもザラ場中発表の経済指標もなく、前日と違って株価に影響を及ぼすようなニュースも入らない。窓あけて窓いつぱいの春、とまではいかないが、気温が上がり春が少し近づいたような昼下がりは、まつすぐな道でさみしい。1時台も2時台も波乱なく、始値とほとんど同じ199円高で大引け。日中値幅は75円。TOPIXは終値で1550台を回復した。
日経平均終値は199.00円高の19437.98円、TOPIX終値は+14.57の1553.69。売買高は21億株、売買代金は2兆2945億円。値上がり銘柄数は1385、値下がり銘柄数は500。プラスは29業種で、上位は保険、卸売、銀行、パルプ・紙、証券、化学工業など。マイナスは電気・ガス、その他製品、ゴム製品、鉄鋼の4業種。上海総合指数は0.12%安だった。
16日の日経平均は反落。英国の10~12月期の失業率は4.8%で11年ぶりの低水準。就業率は74.6%で過去最高。「英国病」はもう歴史上の出来事か? 賃金上昇率は+2.6%で前四半期から鈍化。ユーロ圏の12月の貿易収支は281億ユーロの黒字で市場予測を上回った。前日のイエレンFRB議長の議会証言で長期金利が上昇。ヨーロッパ株は揃ってプラス。そのイエレン氏は連邦議会下院の金融サービス委員会で議会証言を行ったが、上院での証言内容と大差なかった。共和党議員の追及が厳しい。移民規制に反対し、金融規制の緩和にも同意しなかった。
トランプ大統領は小売業トップとの会談で大型減税に言及し、NYダウ終値は5営業日続伸の107ドル高で20600ドル台に乗せた。NASDAQ、S&P500は7営業日続伸。原油先物価格は在庫増で反落したが53ドル台を堅持。金先物は5日ぶりに反発した。金利上昇で為替のドル円はNY時間に一時115円に迫ったが、その後114円割れまで円高反転。麻生財務大臣の「円高と言われる覚えはない」発言も影響したか? 朝方は114円台前半。ユーロ円は121円近辺。大阪夜間取引終値は19430円。CME先物清算値は19415円。
15日はアメリカの経済指標の発表ラッシュだったが、全体的に悪くなかった。消費者物価指数(CPI)は前月比+0.6%で4年ぶりの高い伸び。コア指数も+0.3%。小売売上高は前月比+0.4%で市場予測を上回り、12月の数値も上方修正。政権が交代しても消費者心理に大きな変化はなく、FRBの利上げには追い風。一方、鉱工業生産指数は-0.3%で市場予測を下回り、設備稼働率も75.3%で市場予測を下回った。12月の企業在庫は前月比+0.4%で市場予測と一致。企業売上高は+2.0%で2011年3月以来の大きな伸びを示した。NY連銀製造業景気指数は12.2ポイント上昇し4ヵ月連続のプラス。1月のNAHB住宅市場指数は65で前月値、市場予測の67を下回った。金利上昇の影響。
日経平均始値は6.37円安の19431円。高値は始値で「寄り天(寄り高)」。安値は10時58分の19260円。終値は90円安の19347円。前日の大引け後4時に日本政府観光局から発表された1月の訪日外国人客数は前年同月比+24.0%で1月としては過去最高を記録。単月でも昨年7月に次ぐ過去2番目の高水準だった。中華圏の「春節」と重なり、中国からの訪日客は+32.7%と急増した。
日経平均始値は小幅安で始まり、15分早く始まった先物が19400円を割っていたので下げ幅を拡大する。TOPIXは小幅プラスで始まるが小幅マイナスとの間で往復。199円高の翌日でもあり序盤は「一服商状」。序盤の売り買い交錯は「下放れ」で終わり、19400円を下回ってマイナス幅拡大。ドル円も一時114円を割り込んだ。それでも押し目買いが入って反発し19400円台をすぐに回復する。10時台にかけてはTOPIXがプラスになっても、日経平均は時々19400円を割り込む弱い動きが続きプラスに浮上できない。10時45分頃、「為替の円高を伴う先物主導の仕掛け売り」が東京市場を急襲。ドル円は113円台半ばまで円高が急進し、日経平均先物は19240円まで下げ、現物は19260円まで下げた。11時台には19300円台まで戻したが前引けは3ケタ安。TOPIXもマイナスで、日銀のETF買いが入る条件を満たした。
為替のドル円は113円台後半。後場は前引けよりやや安く再開するが19300円台は維持する。0時台は19300円台半ばまで下げ幅圧縮。しかし1時台は19300円台前半で徐々に水準を下げていく。2時前から19300円台後半まで水準を上げるが、プラス圏は遠い。2時台にもう一度、19300円割れをのぞきに行った後で終盤に19300円台半ばまで戻し、大引けで日経平均の3ケタ安、TOPIXの1550割れは回避された。この日は日銀のETF買いの704億円が入っていた。2月では3回目で、累計2111億円。年間6兆円の月割りの5000億円に達するまであと4回の買い入れが可能。2月の「裏切り」の回数は4回。
東芝は、今期3月末までに予定していた半導体事業の売却を来期に先送りし、通期の債務超過の恐れが高まり、昨年のシャープ<6753>のような東証2部落ちが現実味を帯びてきた。R&Iは発行体格付けを3段階引き下げ。株価は3.34%下落し3日続落。「3時から重大な経営課題について記者会見する」と仰々しくアナウンスしたANAHD<9202>は1.28%安。重大な経営課題とは平子裕志氏への社長交代のことだった。2月、メキシコシティに新規就航したが、メキシコがトランプ政権の〃仮想敵国〃になってしまい、ツイていない。アスクル<2678>は埼玉県の首都圏物流センターが火事になり6.61%下落し値下がり率1位。火の用心。