ブレインコンピュータインタフェース(BCI)の世界市場は、近年年率10%以上で成長しており、2017年には1000百万ドルに達すると見込まれている。また、今後も医療ヘルスケアやゲーム・エンタテイメントなどの需要拡大がけん引して、15~22%程度の高成長が続き、22年には2500百万ドルを突破すると予測されている。簡便に装着できる脳波センサーの開発やAPIの公開などから脳波の測定が身近になり、これを応用したアプリの開発などによる脳波ビジネスへの関心が高まっている。これを受けてAQU先端テクノロジー総研は、脳波を使った製品システムへの関心度について調査を実施した。
調査結果によれば関心度が最も高かったのは「脳波に対応した音楽(リラクゼーションなど)」(37.4%)で、続いて「脳波を利用した睡眠誘導(アプリ)」(36.0%)、「脳波を利用した健康管理」(35.8%)の順となった。音楽、睡眠、健康といった領域で脳波応用への関心の高さがうかがえる。また、このほか関心度が高かったものには「脳波で集中力トレーニング」(34.5%)、「脳波で居眠り防止」(30.6%)などがあり、脳波の活用がトレーニングやリスク対策にも一定の需要があることがわかる。また、年代別の関心度の違いも見られ、最も高い関心度を示した項目について、10代、20代、30代では「脳波を利用した睡眠誘導(アプリ)」、40代、50代では「脳波に対応した音楽(リラクゼーションなど)」、60代以上では、「脳波を利用した健康管理」という結果となった。
脳波センサーを活用した製品は医療用のものから家庭用のものまですでに実用化が進んでいるが、より高精度な測定が可能な製品についても開発されつつある。日本においても、阪大のパッチ式脳波センサーが、湿布を貼るような感覚でリアルタイムに脳波の測定ができるとして、日常生活で活かせるさまざまな脳波マネジメントシステムへの組み込みが進められている。集中力や眠気などの意識レベルの可視化を利用した健康管理製品、さらには脳波による意思伝達やロボットアームの操作などが可能な応用製品の開発に注目が集まっている。(編集担当:久保田雄城)