2月27日のYouTube公式ブログの記事によると、全世界のユーザーのYouTube視聴時間の合計が1日あたり10億時間を突破することがわかった。ユーザー1人あたり毎日8.4分の動画を観ている計算になるという。
再生時間が伸びた要因として、スマートフォンの普及や、高速なネット環境の普及、そしてコンテンツの充実などさまざま挙げられる。今や企業のプロモーションにおいてもYouTubeは欠かせないツールになりつつある。
テレビの視聴者がYouTubeに流れたのも一因だろう。特に若年層を中心にテレビの視聴時間が減少している。NHK放送文化研究所がまとめたデータによると、テレビを観る人の割合は1995年には92%だったのが、2015年には85%となっている。特に2000年以降に減少率が増大。YouTubeは05年に運用が開始されたが、その時期を契機に更に減少率が大きくなっており、これまでテレビを娯楽あるいは情報源としていた人がYouTubeに流れていると考えられる。
確かに好きなときに、好きなコンテンツを手軽に観られるYouTubeは非常に魅力的だ。暇つぶしや、仕事の合間や通勤途中などのちょっとした空き時間に動画を観ている方も多いだろう。今後もYouTubeの勢いはとどまることなく、再生時間が増大していくことは間違いなさそうだ。
YouTube側もユーザーの利便性を更に向上させようと新しい施策にどんどん取り組んでいる。先般、スキップができない広告の再生時間を30秒から6秒にした。また、今後動画の質を評価する指標を視聴回数ではなく視聴時間にすることも発表。視聴時間が長いほど、ユーザーが観るのを途中で辞めない、つまり魅力がある動画だとする考え方だ。
更に2月には自動生成字幕付きの動画が3億本突破したことも発表。字幕の正確性を改善していくとともに、対応言語も増やし、より多くのユーザーを獲得していく方針だという。
昨年も360度動画に対応するなど、注目すべきニュースが多かったが、今年はどのような進化が見られるのか楽しみだ。また、YouTubeでは視聴ユーザーだけでなく、投稿するYouTuberと呼ばれるユーザーも増加している。日々生まれる新しいコンテンツにも期待したい。(編集担当:久保田雄城)