日清オイリオグループが行なった食物アレルギーに関する実態調査に対して、食物アレルギーと診断されている乳幼児を持つ母親の約7割が「離乳食づくりに悩みを持っている」と回答した。母親の負担を減らす取り組みが必要だ。
日清オイリオグループが行なった食物アレルギーに関する実態調査に対して、食物アレルギーと診断されている乳幼児を持つ母親の約7割が「離乳食づくりに悩みを持っている」と回答した。
この調査は、日清オイリオグループが2012年度から食育活動の一環として行なっているものである。今年度も「日本アレルギー協会」が定めたアレルギー週間(2月17日~23日)を機に、食物アレルギーと診断されている離乳食期の乳幼児をもつ母親100名(以下「母親」)を対象に、調査が行なわれた。
その結果、約7割の母親が「離乳食づくりに悩みを持っている」と回答した。悩みの内容は、83.3%が「食材や献立が偏ること」で、次いで「外食時の食事対応」が47.2%、「栄養不足への懸念」が41.7%となった。
また、67%の母親が「食物アレルギーと診断される前から発症を心配していた」と回答した。最も心配だった食品は73.1%が「卵」で、食物アレルギーの児童が年々増加する中で、メジャーなアレルゲンとして知られる卵を早期から警戒していた様子がうかがえる。
さらに、発症を心配していた母親のうち35.8%が、妊娠中や授乳中に「アレルゲンとなる心配がある特定の食品を食べないようにしていた」と回答した。
「食物アレルギーに対応していると便利だと思う食品は何か」との問いに対しては、「主食(パン・パスタ・米など)」が1位で64%となった。2位は「調味料(ソースやマヨネーズなど)」で50%、3位は「ハンバーグやグラタンなどの調理済み加工食品」で48%だった。毎日食べる主食や調味料、便利な加工食品がアレルゲンフリーだと食材選びや調理の手間が大幅に減らせるため、それらへのニーズが高くなっている。
なお、「有事に備えて食物アレルギー対応食品などの備蓄を行なっているかどうか」との問いに対しては、57%が「行なっていない」と回答した。東日本大震災の際にはアレルギー児童の保護者達から「食べられる食品を入手するのが大変だった」という声が多くあがったが、半数以上の家庭が備蓄をしていない結果となった。
近年は、アレルゲンフリーの食品や調味料も多々登場している。また、妊婦のアレルゲン食品除去による胎児の食物アレルギー予防効果は、様々な研究によって否定されている。このような新しい情報や食品を活用して、アレルギー児童を持つ母親の負担をなるべく減らしていくことが重要だ。(編集担当:久保田雄城)