3月の外国為替市況では、世界的な株安を背景に安全資産とみなされた円が買われ、円相場は昨年11月23日以来約4カ月ぶりに1ドル=110円台の円高に振れた。さらに、米国のトランプ政権が、成立を目指していた医療保険制度改革法の代替法案の議会採決が見送られ、法案を撤回したことで、政権への期待剥落から先行きの運営に不安が広がった。このため、投資家がリスク回避姿勢を強めたことで為替は円高基調で推移した。
こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、東京商工リサーチによると、3月の「円安」関連倒産は2件(速報値3月31日現在、前年同月14件)だった。また、「円高」関連倒産も2カ月ぶりに発生なし(前年同月2件)になった。外国為替市場は、一時の膠着した状況から円高に振れている。こうしたなか、為替の動きとは別に、資源価格の上昇と需要増から、鋼材や樹脂関連など主要な産業資材に価格の上昇の動きがみられる。中小企業の経営に与える影響が大きいため、今後の為替相場の動きとともに目が離せないとしている。(編集担当:慶尾六郎)